水害大国─天災・人災・怠慢災

2018/1/7 11:08 投稿者:  manager3

辻田 啓志  (著)
単行本(ソフトカバー): 136ページ
言語: 日本語
ISBN-10: 4806805823
ISBN-13: 978-4806805823
発売日: 2008/6/10

1200円+税

 

昭和三〇年頃から、国・官僚の指示で一斉に天然林を取り払い、経済利益にはしって、スギ・ヒノキなどの針葉樹の山に変えてしまった。そうしたら、植林の山は表土ごと流れて地球が顔を出し。堤防からは洪水が溢れ、下流はドロの海と化した。

国家がボロボロだと、美しい山河もボロボロになってしまう。杜甫なら、なんと読む。(はじめにから)

 

目次

はじめに 5

第一話 桂小五郎の出石に山津波をみた─潤一郎・荷風の災害交友    9

山津波か土石流か

谷崎の『細雪』がみた山津波

『細雪』の「不朽の挿話」探し

第二話 台風は偶然にやってきた─志賀直哉の重み    35

志賀直哉『城の崎にて』の蠑螈の死

豊岡の水害

一一九番の威力?

市民の一分がたたん

第三話 パイピング穴あき物語─琵琶湖から円山川へ    59

涙ぐましい水害パンフ

河川工学はどこへ行く

官僚の開き直り

第四話 ドロ水害哀しや─大江山酒呑童子    79

ここは御国を何百里

今までの水害でみたことがないドロ

ドロとの戦い

住民分担金のない人には支援できない

由良川の氾濫幅は八百メートルに

ドロが出た、ドロが来た

第五話 間伐の夢遠し    101

小五郎道

三重県宮川へ

切株飛びだし表土消えた

美林哀しや

復旧の正体みたか

終りにかえて 良寛、神々に怒る─文化元年越後水害    127

水害被害は三年経ってひろがる

参考文献 134