辻田 啓志 (著)
単行本(ソフトカバー): 136ページ
言語: 日本語
ISBN-10: 4806805823
ISBN-13: 978-4806805823
発売日: 2008/6/10
1200円+税
昭和三〇年頃から、国・官僚の指示で一斉に天然林を取り払い、経済利益にはしって、スギ・ヒノキなどの針葉樹の山に変えてしまった。そうしたら、植林の山は表土ごと流れて地球が顔を出し。堤防からは洪水が溢れ、下流はドロの海と化した。
国家がボロボロだと、美しい山河もボロボロになってしまう。杜甫なら、なんと読む。(はじめにから)
目次
はじめに 5
第一話 桂小五郎の出石に山津波をみた─潤一郎・荷風の災害交友 9
山津波か土石流か
谷崎の『細雪』がみた山津波
『細雪』の「不朽の挿話」探し
第二話 台風は偶然にやってきた─志賀直哉の重み 35
志賀直哉『城の崎にて』の蠑螈の死
豊岡の水害
一一九番の威力?
市民の一分がたたん
第三話 パイピング穴あき物語─琵琶湖から円山川へ 59
涙ぐましい水害パンフ
河川工学はどこへ行く
官僚の開き直り
第四話 ドロ水害哀しや─大江山酒呑童子 79
ここは御国を何百里
今までの水害でみたことがないドロ
ドロとの戦い
住民分担金のない人には支援できない
由良川の氾濫幅は八百メートルに
ドロが出た、ドロが来た
第五話 間伐の夢遠し 101
小五郎道
三重県宮川へ
切株飛びだし表土消えた
美林哀しや
復旧の正体みたか
終りにかえて 良寛、神々に怒る─文化元年越後水害 127
水害被害は三年経ってひろがる
参考文献 134