壊れる子たち―変雀先生の心と身体の解体心書〈1〉

2018/1/6 15:13 投稿者:  manager3

壊れる子たち―変雀先生の心と身体の解体心書〈1〉

水村 義雄 (著)
176ページ
ISBN-10: 4806805300
ISBN-13: 978-4806805304
発売日: 2006/01/25

 

水村義雄(みずむら よしお)

1947年生まれ。 内経医学を中心とした中国・日本の古医書を研究する内経医学研究 会を創設とともに、伝統鍼灸医学の理論を通じて鍼灸師、サイコセ ラピスト、教育カウンセラーとして診療活動を展開。 心と身体の問題は社会的病理と相対的関係にありとし、子どもから 大学生、社会人とともにその研究と社会的変革の実践の場として元 気塾を開設。

 

このように人体の器官「口」と五臓の「脾」、そして感情の「思」を結びつけ、心身の病を経絡の「脾経」と有機的にシステム化し、その関連する経絡の穴を利用して「気血」という流れを鍼で治療していく理論が、古代の伝統鍼灸医学である。  特に子どもと対応する時は、問診も診断する情報源となるが、子どもの心の支えとなるおしゃべりと会話が大切である。それとともに、両親や関係者にも子どもに関しての問題を聞き、意志疎通をはかったり、子どもの抱えている問題の社会的背景を模索する中で、親と子、家庭と学校、学校と社会のあり方を見直すことができるきっかけになるのでは。 そして、両親、関係者が子どもの心身症のみならず、病気で苦しんでいるとき、 深い暗闇からの「助けて」のシグナルを目で、耳で、体に触れて理解し、本人と問 題を共有できればと願う。(はじめにより)

 

目次

はじめに

その一 市民活動と不登校─ 咳と痰そして喘鳴

体の中が冷蔵庫  /黒は安定感  /気はあらゆる存在の現象  /いじめは ストレス解消?  /鼻は肺の出入口

その二 指しゃぶり─喘息とアトピー性皮膚炎

天突は喘息の特効穴  /五行は自然循環システム  /喘息はむくみが原因   /気虚は心身症か  /指しゃぶりは授乳の練習  /腎は安定を望む /脾は智恵の臓  /意と智はいつ備わるのか  /喘息は心身症

その三 鬼のいぬまに暴飲暴食─ 一日入院  虫垂炎?

水飲み競争  /突然の腹痛  /肺虚に胃潰瘍が多い  /陰血(瘀血)と 精血  /五臓と五行と五穴  /照海穴に点灸三百壮  /陰血(瘀血)と陽血  /頼りがいのある肝  /七日間の絶食で死?  /疝気に膿血あり  /黒い便がでた!

その四 生理がない─ 髪が全部抜けた

髪の色はアイデンティティ  /髪の盛衰と腎  /頭髪が呼吸  /皮毛が髪を育てる畑 /髪の源は津液か /髪は血の余 /眉毛は横に、鬚は下に生えるの?  /ケーキのバイキング  /女性に鬚がないのは  /月経(生理)がとまるのは  /宦官には鬚が生えない  /頭髪と督脉  /脱毛の治療  /魂魄相離れず

その五 夜がこわい─ おねしょ

膀胱に尿はどれくらい入るの  /おむつがとれても毎日がおねしょ  /小 便はどのようにつくられるか  /小便の出る原理  /膀胱と湯タンポ  / 小便と腎  /腎のよわりかた  /夜尿症は遺伝なの  /夢は魂魄をなす /夜尿アラーム  /比較脉診での予後の考え方 
その六 普通の学校へいきたい─ ぼく、癲癇なの?

フーテンの寅さん  /疳の虫は寄生虫が原因?  /癇は肝と関係がある/便のコロコロは津液不足  /膨脹したフウセンは肺の陽実  /穴が塞がるとストレス死  /二間穴は急驚風の特効穴  /障害児を普通学校へ

その七 思春期病棟、さよなら─ 私はアダルトチルドレン

リストカット  /弟、妹への虐待  /愁憂は肺を病む  /私を理解してく れた人  /思春期病棟入院  /クラブ入店  /燃えるローソクは腎虚  /七情と七神  /症状と五臓  /心血不足ならリストカットは痛くない /本能的欲望は腎精に舎るか  /思春期病棟、さようなら

終わりに