「つらいの」女たちは―変雀先生の心と身体の解体心書〈2〉
水村 義雄 (著)
208ページ
ISBN-10: 4806805327
ISBN-13: 978-4806805328
発売日: 2006/07
著者
水村義雄(みずむら よしお) 1947年生まれ。 内経医学を中心とした中国・日本の古医書を研究する内経医学研究 会を創設とともに、伝統鍼灸医学の理論を通じて鍼灸師、サイコセ ラピスト、教育カウンセラーとして診療活動を展開。 心と身体の問題は社会的病理と相対的関係にありとし、子どもから 大学生、社会人とともにその研究と社会的変革の実践の場として元 気塾を開設。
受診にみえる女性は世間話が好きだ。天気はもちろん、家族のこと、学校のこと、 料理の作り方まで話しかけてくる。 こんなふうにしゃべる人の病気は明るく早く回復しやすい。声がとても大きいので待合室まで聞こえてしまい、プライバシーなどなくなってしまう。隣のベットでのやりとりを聞いていて、勉強になりましたという患者さんが多い。 いざ、自分のことを語ると自分の世界しか見えず、他者の声、姿を通して納得することがある。 待合室での母、または父と子とやりとりが典型的である。待っている時間が長いと、 小さい子どもは疲れて帰ろうとか、怒ったり泣いたりする。その時の親の接し方は母 父子の相対的関係となって、子どもの成長に大きな影響を及ぼす。 しつけを私が教えるというのはおかしなものであるが、やらなければならない診療 の場面で多くある。他の子どもと親のやりとりを見て勉強するのが一番である。でも、 親は別の方向を向いている。 親と子、夫婦、嫁姑の人間関係に端を発して、心と体の病気になる厳しい環境が女性にはある。 いろいろと相談したいが、本音で考えてくれる医療機関は少ない。(あとがきより)
目次
その一 失恋と別離│ 肺と肩背と食道
1 食道アカラジア /2 肺と経絡と流注 /3 肺は気のもと /4 肺の役目は割符 /5 脚の病は食嗜まず /6 思は脾を傷り動かず /7 脾と胃は共同 体 /8 憂悲は沈重 /9 悲しいと飲食は下りない /10 魄は恋心 / 11 精は愛の欲望 / 12 魂魄傷れる
その二 あなた、家出をします─ 不眠症と主婦業拒否
1 家出のプロローグ /2 瞼の開閉困難は脾病 /3 血、肝に帰すればスヤスヤ /4 肝は行動的な臓 /5 魂飛揚はウツラウツラ /6 魂と神は明瞭な行動と意識 /7 内傷は臓を傷る /8 思慮過度は不安と恐を生ず /9 ひきこもりは脾病 /10 活動の源は衛気 /11 睡眠中の無意識は腎 / 12 跟 の中央に 不眠の特効穴 / 13 あなたの睡眠は何型? / 14 十七歳の風景
その三 妊娠月数が脉診でわかるの─ つわりと難産
1 妊娠ですよ /2 悪阻の原因は異物を排除? /3 つわりにはトマト /4 気逆には酸味 /5 妊娠初期の腎虚は流産 /6 脉診で双子もわかる /7 無事に女子を出産
その四 早期自己退職─体中が痛い─気痛.
1 離婚そして入社 /2 杏 仁としびれ /3 朝の目まいは腎虚 /4 忘れたことを忘れる /5 胸つかえは気が逆に動く /6 ホットフラッシュは腎虚火旺 /7 頭の中は精が充満 /8 文の意味がわからない /9 気虚はストレス /10 気痛には皮膚針
その五 どうしたらいいの、嫁は─私は更年期?
1 憂鬱のはじまり /2 肩のルートは複雑 /3 あなたの肩こりはどれ? / 4 肺虚の内傷は胃潰瘍 /5 子どもを管理するオヤジの会 /6 授業の面白さを 決定するのは誰? /7 頭が痛いのはどうして /8 子宮筋腫はきのこが大好き /9 更年期はいつから / 10 更年期なんてこわくない
その六 夫と不仲、子は不登校─悪血と子宮脱
1 夫とのすきま風 /2 陰戸の病は関元にあり /3 衝脉、任脉、督脉は陰戸より始まる /4 恐は腎を傷る /5 脳に精あり /6 精不足は痩せる /7 おけつ からす 子どもの家出 /8 暴怒は陰を傷る /9 瘀血は烏? /10 肝虚は潜在的瘀 血 /11 離婚は三年後 /12 へそ下三寸に気在り /13 恐は子宮脱 /14 一・四九秒に一組が離婚
その七 看護は誰がするの─臭いがわからない│五労
1 母の世話 /2 耳は腎の竅 /3 耳鳴りはどうして起こるの /4 母を引きとる /5 あなたの腰痛はどれ? /6 介護施設に不満 /7 肝胆相照らす /8 ヒステリーは子宮病 /9 脳は髓の海 /10 臭いがわからないのは精 不足? /11 後天の精は先天の精を養う /12 七神は精によって支えられる /13 母の涙
終わりに.