インドの女性たちの肖像─経済大国の中の伝統社会
サイイダ S ハミード (著),
鳥居 千代香 (翻訳)
272ページ
ISBN-10: 4806805688
ISBN-13: 978-4806805687
発売日: 2007/10/15
著者
サイイダ・S・ハミード(Syeda S. Hameed)
インドの北部、ジャンムー・カシュミール州、カシュミール地方に生 まれる。現在デリーに在住し、2004年7月からインド政府の「計画委員 会」(Planning Commission)委員として活動している。「イスラー ム教徒の女性たちのフォーラム」(Muslim Women’s Forum)、「人 権を求める南アジアの人々」(South Asians for Human Rights〔SA HR〕)両創設委員、「南アジアの平和のための女性たちのイニシア ティブ」(Women’s Initiative for Peace in South Asia〔WIPSA〕)、 「話し合いと調和のためにセンター」(Centre for Dialogue and Reconciliation)両創設評議員なども務めている。1997年から2000年ま でインド政府「インドの女性のための委員会」(National Commission for Women)の委員をし、本書はこの任期中に扱った実際にあった事 件をもとに書かれたものである。(この任期期間の主な出版物に『声の ない人たちの声~インドのイスラーム教徒の女性たちの地位』がある。 この時期に他の調査報告書も多数ある)。ウルドゥー語アカデミーをは じめ、他の多数の委員会委員や評議員も歴任。インドのデリー大学卒業 (1963年)後、1965年にハワイ大学で修士号を取得。1972年にカナダ のアルバータ大学で博士号取得。インド、デリーのスリー・ラム女子大 学の講師(1972-1974年)、カナダのアルバータ大学の講師(1972- 1974年)、アルバータ大学のディレクター(1978-1985年)といった 経歴を持ち、3人の子供の母親でもある。 「著書」『私の声が聞こえるだろう~イスラーム教徒の女性たちの地位』 (2003)、『平和を求めての旅』(2003)『、ザキール・フサイン博士』(2000)、 『インド独立についてのイスラームの約束』(1998)、『スーフィズム教の 教義の今日性』(1995)他。 「共著」『夢は七十五になる』(クシュワント・シンと共著)(1995)他。 「訳書」『事実は事実』(1998)、『獄中からの手紙』(1985)
ここにある八つの事件を選んだ理由は、私のところ に来た事件の中で最も説得力があり、性暴力の異なる 側面を象徴しているからである。委員会の私たちを異 なった方向に走らせ、国中を行き来し、女性たちの話 に耳を傾け、報道関係者たちに話し、警察署のプラ バーリー(責任者)をしかりとばし、州の下院議員や国 会議員たちに会い、私たちは多数の事件を扱った。私 たちの国では女性への犯罪は尽きることがないように 思う。個々の不正をなくしたかった。国中のいかなる 地域のどんな女性でも鳴らすことができるベルを私た ちの「委員会」に吊るしたかった。しかし、私はむだ な努力をしていたようだ。私たちが変えたいと願う制 度は動じることなく、むしろ問題を回避することに精 通していた。高地位の州の役人や中央政府の役人たち と何度も会合を召集したが、目的を達することが実に少なかった。
おそらく、本書に書くほうがもっと効果的なのかも しれない。(はじめにより)
目次
はじめに
第一章 マイムーン
恋愛結婚の末、切り裂かれて
第二章 グディヤー
隣人たちに暴行されて
第三章 ジャハーン・アーラー
伝統的売春村落の少女たち
第四章 リリー・ラクラー
外交官にレイプされたNRIの少女
第五章 シャドーとチャドー
インドの花嫁と持参金
第六章 サジョーニー
魔女の汚名をきせられた女性
第七章 ベーラー
性的虐待と近親相姦
第八章 ジュヒー、シャーイスターと カーダムバリー
職場でのセクシャル・ハラスメント
訳者あとがき