増補改訂 ヴィヒャルト 千佳こ先生と「発達障害」のある子どもたち

2022/1/31 17:59 投稿者:  kanri2

書 名:増補改訂 ヴィヒャルト 千佳こ先生と「発達障害」のある子どもたち

著 者:ヴィヒャルト 千佳こ

B5判並製/136ページ

定価2400円+税

ISBN-13:9784806807568

発売日:2022年2月17日

 

■著者:ヴィヒャルト 千佳こ(ヴィヒャルト ちかこ)

1954年兵庫県生まれ 臨床心理士 鶴が峰心理グループ代表責任者 精神科心理カウンセラー 南藤沢心理相談室主宰 精神科クリニック3箇所にて嘱託心理カウンセラー 保育園、幼稚園、学童保育への心理相談 1995(平成7)年より文部省委託スクールカウンセラー、2006(平成18)年から公立学校スクールカウンセラーに 1997(平成9)年からは私立高校スクールカウンセラーにも 神奈川県不登校訪問相談員スーパーバイザー歴任 横浜市スクールスーパーバイザー 茅ヶ崎市適応指導教室スーパーバイザー 「学校におけるアスペルガー障害」『臨床精神医学』Vol.34, No.9 1287〜1292 『児童心理』金子書房 2009年3月号 他、 「描画による心の診断」(日本文化科学社)、「月間生徒指導」(学事出版)、「保健婦雑誌」(医学書院)、「子どもと健康」(労働教育センター)、「神奈川新聞」等への執筆、講演活動多数

 

発達障害の人の特徴から、社会への適応は簡単ではないことがわかります。そして、彼(彼女)らと周囲の人との摩擦も大きな問題なのです。彼(彼女)らはまたその適応の難しさゆえの心の傷もあり、認知も歪んでいることが多々あります。
これからの社会、さまざまな人びととの共存が課題ですが、お互いの違いを知り、お互いを理解し、お互いを尊重することが必要です。
最後に、発達障害の人びとに向き合う時、
●彼(彼女)らはあれで精一杯
●周囲の理解が大切 → 人的環境の重要性
●疲れやすいけど頑張っている
●混乱しながら生活している
●診断名より現場での状態像をみる
●将来を見据えた支援をする
●世の中で通らない特別扱いはしない
●理解することと、心情的に受け入れることは異なる
●困ったときに彼(彼女)らが支援要請を出せるように条件を整える
●共感的なアプローチをする
●支援者としての寄り添いをする
これらのことを忘れないことが大切です。(本書より)

 

目次

はじめに
1.「発達障害」とは
(1)生まれつきのもの。だから早期発見・早期支援を
(2)支援計画・方法は、同じ診断名でも一律ではない
2.これを知れば「発達障害」がわかる─基本的特徴について
(1)知覚異常
視覚 聴覚 触覚 臭覚 気象への過敏
(2)睡眠・覚醒障害
(3)優位感覚
(4)感情のコントロールのわるさ、生理的なイライラ感
(5)筋肉運動の問題
前庭覚 固有覚
3.発達障害にはどのようなものがあるか
(1)ADHD(注意欠如・多動性障害)
障害の特徴 対策 事例
コラム:ADHDと覚醒レベル
(2)ASD(自閉症スペクトラム、広汎性発達障害)
障害の特徴 事例
コラム:スぺクトラムとは
(3)知的障害
障害の特徴 事例
(4)学習障害
学習障害にはどんなものがあるか 対策(例)
(5)コミュニケーション障害
表出性言語障害の特徴 受容、表出混合性言語障害の特徴 事例
(6)運動機能障害
障害の特徴
4.二次障害について
日常生活と発達障害
(1)日常生活での適応が困難→現実社会で「適応障害」とみなされる
ライフステージと二次障害との関係
被害感──二次障害のスパイラル 事例
「重ね着症候群」と二次障害
(2)学校を悩ます「最近のいじめ問題」への対応
親子関係と発達障害
(1)愛着障害と子ども
(2)愛着障害 2つのタイプ
(3)愛着障害と発達障害
発達障害と親子関係 事例
(4)発達障害に愛着障害が重なると
事例
(5)親が障害受容を拒否したとき…
事例
5.事例から学ぶ
(1)乳幼児の発達障害
(2)学童期の発達障害
(3)思春期の発達障害
(4)おとなの発達障害
6.トラブルを解決するには─現象から考える
いきなり型 前兆あり型 はずみ型
演 習──現象から考えられる背景の可能性は?
教室に入らない 授業中、板書をノートに取らない
宿題をしてこない 体育の授業にきちんと参加しない
対人関係の場面での認知がずれトラブルになる イライラしている
言葉使いが丁寧、大人っぽい 話を聞くときに話者をみない
奇声を発する 狭いところをすり抜けようとする 優先順位がわからない 集団行動ができない
どんな支援方法があるか
(1)合理的配慮
(2)構造化
(3)刺激の統制
事例
(4)感情のコントロール
共感 事例
アンガーマネジメント
クールダウン 事例
そらし 事例
お守り
外在化─子どもがイライラしているとき
(5)行動のコントロール
先手打ち 事例
「絶対いや!」に効くステップアップ─工程表
(6)ソーシャルスキルトレーニング
指示、教示、話し方
心理教育の重要性──二次障害を防ぐために
(1)心理教育は診断ではない
(2)心理教育は家族にも必要である
(3)本人、家族がどこまで受けられる状態かのチェックは欠かせない
(4)心理教育の重要性を知る
7.発達障害の周囲の人々への支援を
おわりに
参考文献