主題と争点で読む20世紀日韓関係史

2022/8/23 20:29 投稿者:  kanri2

書名:主題と争点で読む20世紀日韓関係史

著 者:鄭在貞(정재정)

訳 者:市村繁和(いちむら・しげかず)

A5判上製/336頁

定価4000円+税

ISBN-13:9784806807605

発売日:2022年9月12日

 

■著 者:鄭在貞(정재정)

韓国近代史と日韓関係史の専門家である。ソウル大学校と東京大学で学部と大学院を卒え、文学博士を取得した。現在、ソウル市立大学の名誉教授である。同大学校の人文大学長、大学院長などを歴任した。東北亜歴史財団理事長、日韓関係史学会会長、国史編纂委員会、ソウル市史編纂委員会、歴史問題研究所などの委員を歴任した。日韓両国政府が支援する日韓歴史共同研究委員会(1・2期)の幹事として活躍した。主要著書に『帝国日本の植民地支配と韓国鉄道・1892-1945』(訳:三橋広夫、明石書店)、『韓国と日本─歴史教育の思想』(すずさわ書店)、『日韓〈歴史対立〉と〈歴史対話〉─ 「歴史認識問題」和解の道を考える』(監訳:坂井俊樹、訳:金廣植・徐凡喜、新泉社)、『新しい韓国近現代史』(訳:石渡延男他、桐書房)などがある。

 

■訳 者:市村繁和(いちむら・しげかず)

現在、成蹊大学アジア太平洋研究センター客員研究員。おもな関心領域は、ポストコロニアル状況における日韓の社会文化交流および日韓連帯史。韓国外国語大学国際地域大学院韓国学科にて碩士(修士に相当)および博士学位(韓国学[韓国社会・文化専攻])を取得した。訳書に『中朝国境都市・丹東を読む』(著:、緑風出版)がある。また論文に「東アジア脱冷戦体制と韓国軍人の『反戦脱営』」(2017・韓国語)、「『倭色』言説と脱植民」(2020・韓国語)、「在日朝鮮人学生に対する集団襲撃事件の再検討」(2021)がある。beonhwa@hanmail.net

 

筆者が拙著を執筆した意図は、七年が過ぎた今も共感を得られることと思う。すなわち現代日韓関係史に対する無知・偏見・誤解を払拭し、事実・公平・均衡に根ざした現代日韓関係史の像を確立させるのに役立てようという一念である。(日本の読者の皆さんへ)

 

目次◉主題と争点で読む二〇世紀日韓関係史
発刊の言葉─〈20世紀韓国史〉の刊行にあたって 3
日本の読者の皆さんへ 5
はじめに─共生共栄の知恵、歴史から学ぶ 9
第1章    
大日本帝国の遺産と南北分断国家 21
現代日韓関係の原点、大日本帝国による「韓国強制占領」 21
大日本帝国による植民地支配と抗日独立運動 32
解放と分断国家樹立、そして大日本帝国の遺産 44
第2章    
日韓条約の締結と国交再開 65
日韓会談の経過と論争の推移 65
日韓会談反対運動と各国の立場の差異 77
日韓条約の内容、課題と補完、そして評価 83
国交の展開、癒着と摩擦の並走 97
第3章    
在日韓人と南・北・日関係 115
植民地「臣民」の生と苦闘 115
「解放された民族」の生存と模索 122
北送事業の推進と傷跡 130
「定住外国人」の矜持と共生 140
第4章    
経済発展と相互依存 155
日韓交易の再開と朝鮮戦争の特需効果 155
輸出主導の経済開発と垂直的な分業構造の形成 161
高度経済成長の持続と貿易不均衡の深化 176
水平的分業構造の出現と相互協力の模索 182
第5章    
人間の往来と文化交流 191
帰還、そして往来の再開 191
文化協力と交流増進 196
大衆文化、禁止と開放、そして共有と混淆 200
第6章    
歴史摩擦と平和共栄 213
歴史認識をめぐる摩擦と調律 213
戦後補償と被害者支援活動 231
歴史認識の相互理解へ向かう模索と連帯 249
第7章    
おわりに─未来と世界に向かう日韓関係の再構築を願って 259
現代日韓関係の段階別特性 259
日韓関係の位相変化とナショナリズムの衝突 261
未来と世界に向かう日韓関係の新たなビジョン 263
補章    
日韓の歴史摩擦と克服の方向─日本軍「慰安婦」問題を中心に 267
1.はじめに─この文の主旨と視角 267
2.日韓は日本軍「慰安婦」問題をどのように扱ってきたのか? 270
3.日韓は日本軍「慰安婦」問題をどう乗り越えるか? 287
4.結び─「法的解決」から「歴史的克服」へ 292
[スペシャル・テーマ]
強占なのか、併合なのか? 不法なのか、合法なのか? 28
金大中拉致事件と朴正煕狙撃事件─摩擦と癒着の断面 107
日本人を夢中にさせた在日韓人スターたち 147
模倣から克服へ─サムスンと日本 173
それでも生は継続されなければならない─韓国原爆二世患友・金亨律氏の物語 242
付録 295
主要事件日誌 296
参考文献 307
索引 319

訳者あとがき 325