森田 成也 (著)
単行本: 256ページ
ISBN-10: 4806806870
ISBN-13: 978-4806806875
発売日: 2016/10
2300円+税
**電子書籍あり**
マルクスの『資本論』は歴史上何度目かの復活を遂げつつある。何よりも、資本主義的生産様式においては、一方の極における富と浪費の蓄積と他方の極における貧困、抑圧、暴力の蓄積とが不可避的に進行することを予言したのは、『資本論』ではなかったか? 今こそ、時代の息吹とともに、新鮮な目で改めて『資本論』をラディカルに学ぶことが求められている。
目次
はじめに 7
第1章 水で薄めない入門書─ハーヴェイ『〈資本論〉入門』を読む 15
1、『資本論』の批判的入門書 18
2、『資本論』を読み解く二つの基軸(1)――階級闘争と絶対的剰余価値論 21
3、『資本論』を読み解く二つの基軸(2)――相対的剰余価値と階級戦略 32
4、『資本論』を読み解く二つの基軸(3)――「諸契機の弁証法」 37
5、類書に見られない三つの観点――ジェンダー、フーコー、恐慌 41
第2章 『資本論』から読み解く危機と失業 45
1、『資本論』から読み解く際の注意点 47
2、『資本論』第一巻の「資本蓄積論」で読み解く失業 53
3、『資本論』第一巻の限界を超えた考察 67
4、階級闘争と社会的制度の契機 75
結語として 83
第3章 世界金融恐慌のカラクリを暴く─ハーヴェイ『資本の〈謎〉』を中心に 87
1、『資本の〈謎〉』の第一の部分――金融恐慌に至る二つの流れ 91
2、『資本の〈謎〉』の第二の部分――資本の流れの全体像 99
3、『資本の〈謎〉』の第三の部分――資本の歴史的・地理的展開 112
4、『資本の〈謎〉』の第四の部分――「共–革命的」理論 123
【補論】ハーヴェイの恐慌論とマルクスの恐慌論 135
第4章 マルクスの可能性に新しい光を当てたガイドブック ─ベンサイド『マルクス[取扱説明書]』によせて 141
1、第一のルート――マルクスと現代資本主義 144
2、第二のルート――非決定論的マルクスの発見 148
3、第三のルート――党の問題 157
4、『資本論』理解の不正確さ 166
5、マルクスの現代性 168
【補論】『ゴータ綱領批判』の標準労働日論と公正概念 171
第5章 現代から古典へ─マルクスの経済学を学ぶ 179
はじめに─現代から古典へ 180
1、マルクスにおけるグランドパラダイムの成立 182
2、前期マルクスの経済学――『哲学の貧困』から『賃労働と資本』へ 186
3、マルクス独自の経済学の成立――中期マルクスと「要綱」 195
4、後期マルクスの経済学――『賃金・価格・利潤』から『資本論』へ 200
おわりに――古典から現代へ 207
第6章 マルクスの『資本論』とエンゲルスの『イギリスにおける労働者階級の状態』 211
1、『イギリスにおける労働者階級の状態』の意義 213
2、『資本論』形成史における『労働者階級の状態』 218
3、『資本論』における『労働者階級の状態』 226
4、マルクスの相対的過剰人口論と『労働者階級の状態』 237