共同通信社 (編集)
単行本: 270ページ
言語: 日本語
ISBN-10: 4806806749
ISBN-13: 978-4806806745
発売日: 2015/08
2500円+税
核や生きものとの関わりから私たちの生き方を見直した「問う」「共に生きる」。地域で生活者として自立することの意味を考えた「根を持つ」。事実を記録し表現することの大切さに気付かされた「刻む」。心身の病や老いと立ち向かう人を描いた「治す」。国境や民族の境によって分断されることなく、人間がつながる可能性を示した「越える」。科学や技術を単なる道具とせず、人が生きることにつなげようとする試みを追った「研ぐ」。
一見、それぞれが独立しているようだが、結果として一つの問題意識に収斂した。それは「人が人として豊かに生きるとはどういうことなのか」という問いだった。換言すれば、現代の危機とは「人間性の危機」なのだ。
本書がささやかでも、読者のみなさまにとって、未来を切り開くよすがになってほしいと願う。(まえがきより)
目次
まえがき……………3
第1章 問う 核と暮らし……………9
原子力留学生 10
原発と自然 15
反原発の市民運動 20
プラント技術者 25
核武装研究 30
民権運動を心に 35
原発ゼロの提言 40
第2章 共に生きる 自然と命……………45
動物園の危機を超えて 46
野生生物の保護 51
コウノトリ野生復帰 56
捕鯨論争 61
自然エネルギー 66
エコタウン 71
第3章 根を持つ 地域と自立……………77
国鉄解体から地域へ 78
丹下健三から郷土へ 83
国策と酪農 88
諫早湾干拓事業 93
吉野川住民投票 98
瀬戸内しまなみ海道 103
農民文学者 108
琉球独立論 113
第4章 刻む 生と死……………119
樺美智子と女性史 120
図書館の使命 125
映像記録作家と移民 130
特攻隊遺族 135
三井三池炭鉱 140
検閲と詩人 145
日米安保と沖縄 150
俳句と震災 155
第5章 治す 心と体……………161
日系二世小児科医 162
障害者スポーツ 167
精神医療 172
福祉と仏教 177
臨床研究 182
介護の現場 187
元受刑者 192
第6章 越える 国境と民族……………197
ベルリンの壁から震災へ 198
世界遺産とともに 203
占領下の孤児たち 208
和僑 213
島で教える 218
日本とイスラム 223
元原発技師の挑戦 228
第7章 研く 技術と科学……………233
緊急被ばく医療 234
地震予知 239
数学研究 244
ジャンボ機 249
現代の浮世絵師 254
文化財保存 259
アジアのアスベスト 264
執筆者・撮影者一覧……………269