著者:加瀬 勉
A5判並製 472ページ
ISBN-13:978-4806807117
発売日:2018/4/3
定価3200円+税
加瀬 勉(かせ つとむ)
1934年5月5日、千葉県香取郡(現多古町)327番地において、父加瀬光、母とよの7兄
妹の第2子として生まれる。家業は農業田畑1町5田歩。
1941年4月、香取郡東条村尋常小学校に入学。
1949年3月、東条村新制中学校卒業。
香取郡多古町青年団団長、香取郡市青年団協議会理事、香取郡市青年団協議会事務局長、千葉県青年団協議会常任助言者、多古町社会科学研究会会員。
1956年9月21日、日本社会党に入党。
1961年4月27日、日本社会党千葉県本部書記に就職。
全日本農民組合中央常任委員青年対策部長。
1963年4月、国際空港反対日本社会党富里現地闘争本部に常駐。
1966年6月、国際空港反対三里塚、芝山現地に常駐。
以下今日に至る。
出版にあたって
泥土放光農魂不滅。北総畑作大地における空港建設反対闘争は、日本人民が多大な犠牲の上に築き上げた財産、宝物であると私は自覚している。農民は家屋敷を破壊され、土地を奪われ、あらゆる迫害を受け弾圧され牢獄につながれ故郷を追われていった。三里塚闘争を現地の農民とともに戦った全国津々浦々の支援者、貧しい生活の中で浄財と物資カンパ、闘争に馳せ参じ、権力の弾圧で傷つき、何百何千の人たちが逮捕され牢獄に、あるものは職場を追われた。三里塚闘争に尊い命を捧げていった。全国の友人、同志達の一人ひとりの顔が私の魂に焼きついている。私は物書きではない。組織者、オルガナイザーである。この観点と姿勢は80余年の人生を貫いてきたつもりである。
【目次】
出版にあたって 3
第1部 怒り心頭に発す 13
怒り心頭に発す 機能拡大絶対反対 14
立ち退きを迫られた牛尾村 30
成田空港第三滑走路建設反対の署名にご協力ください 43
新年の決意表明 43
空港は拡張すべきではない。第三滑走路は建設すべきではない 46
空港関連成田用水事業反対 49
第2部 反対同盟の人々 57
空港建設反対に立ち上がった女たち 58
青年行動隊増田茂君の魁の花 70
空港反対を闘った女たち 72
三里塚芝山連合空港反対同盟委員長 戸村一作 76
小川明治反対同盟副委員長 80
開拓組合長、小川明治 84
木内武反対同盟副委員長の生涯 87
木内武さん、御料牧場焼き討ち計画 90
反対同盟副委員長石橋政次さんの生涯 91
神鬼も畏れた岩沢吉井 113
三里塚木の根の源さん 119
小川源さんの生家ハンゼム 128
三里塚反対同盟、秋葉哲救援対策部長 148
三里塚天狗騒動、柳川茂反対同盟副委員長 153
石井武さんを偲ぶ 155
熱田一反対同盟(熱田派)代表 163
稀代の頑固者、菅沢一利老人行動隊長 181
菅沢老人行動隊長の天皇直訴文 195
三里塚の精農家、岩沢昌平 199
三里塚の我が母たち 206
婦人行動隊の柳川初枝さん 212
三里塚の女たち1 215
三里塚の女たち2 222
三里塚の女たち3 227
強制代執行を受けた三里塚のよね婆さん 240
三里塚のよね婆さん 248
三里塚闘争と大木よね 261
第3部 闘いのなかで 283
桜と駒と天皇と炎の三里塚 284
先達の忠告 288
三里塚現地常駐へ 291
空港反対闘争の証言 293
旧学習院正堂で空港反対同盟結成 296
成田市役所落城をめざして 300
反対同盟の組織建設 308
三里塚砦の子供たち 310
墳墓を暴き屍に鞭を打つ 317
三里塚地下道戦 331
戸村委員長、参議院全国区選挙 332
開港阻止、空港包囲占拠闘争と実川清之社会党委員長 334
オルグ活動覚え書き1 341
オルグ活動覚え書き2 351
農民にとって一番困ること 358
新年の決意 360
航空機騒音多古町対策協議会委員寺田様 364
三里塚闘争50年を記念して 367
権力の総攻撃 372
私に対する攻撃 373
第4部 三里塚闘争、運動と理論 375
三里塚闘争前史 376
八ッ場ダム反対闘争(その一) 388
八ッ場ダム反対闘争(その二) 390
野性 391
宣伝活動 393
古巣の社会党と新左翼 394
空港反対と選挙闘争 396
三里塚空港反対闘争の悲劇─一坪土地共有化運動 403
農民を追い出した援農隊 411
孤塁を守る 413
転向1 414
転向2 415
新左翼党派の敗北宣言 416
我が人生の恩師加瀬完先生 417
人間の命 420
日本国憲法と三里塚闘争 421
三里塚空港建設反対・農地明け渡し拒否、耕作権擁護 市東孝雄君千葉地裁提訴・加瀬勉証人陳述書 429
農民の暴力と批判 446
三里塚の農民と農地改革 451
三里塚闘争と日本農民運動の発展 456
反対同盟組織化の討論 462