産業史からみる朝鮮韓国経済史入門
著者 李 光宰(イ グァンジェ)
A5判上製/340ページ
定価4000円+税
ISBN-13:9784806807452 C0033
発売日:2021年4月6日
李 光宰(イ グァンジェ)
早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得(経済学博士)
多摩大学グローバルスタディーズ学部講師
【著 書】
『韓国電力業の起源』
『韓国石油産業と全民濟 朝鮮・韓国・北朝鮮石油産業の経路』
『なぜコリアンは大久保に集まってくるのか』
『乾杯の経済学:韓国のビール産業』ほか
【目次】
序章 9
はじめに 本書の目的および構成 10
Ⅰ 朝鮮経済の研究動向 10
Ⅱ 植民地朝鮮経済の研究動向 12
Ⅲ 韓国経済に関する研究現状 16
Ⅳ 北朝鮮経済の研究状況 18
Ⅴ 以上から何がわかるのか 20
Ⅰ 朝鮮経済 25
Ⅰ 朝鮮経済の研究動向 26
Ⅰ—1 なぜ朝鮮の開城商人は夜逃げしなかったのか 28
─歴史比較制度分析の手法を用いて─
はじめに 28
1.開城商人 29
2.時邉制度 32
3.理論的検討:モデルによる説明 34
4.歴史的考察 36
むすび 37
Ⅰ—2 『韓国貨幣価格図録』から見えた朝鮮貨幣の発展像 40
はじめに 40
1.朝鮮貨幣の歩み 40
2.『韓国貨幣価格図録』から見える朝鮮貨幣の発展像 44
むすび 53
Ⅱ 植民地朝鮮経済 57
Ⅱ 植民地朝鮮経済の研究傾向 58
Ⅱ—1 日本窒素の朝鮮への進出を巡って 62
─ゲーム理論を用いて─
はじめに 62
1.日本窒素の位置付け 62
2.日窒の朝鮮進出の理由 64
3.総督府の工業化促進の理由 66
4.日窒の朝鮮への進出経緯 67
5.日窒の朝鮮への進出に関するゲーム理論 69
むすび 71
Ⅱ─2 朝鮮総督府の農業政策が朝鮮農業に与えた影響 76
—定量分析を用いて—
はじめに 76
1.朝鮮農業及び朝鮮米の位置付け 76
2.総督府の農業政策の概要 77
3.総督府の農業用資金と作物投入額との関係 80
4.作物投入額と朝鮮農業・朝鮮米との関係 83
むすび 83
Ⅱ—3 朝鮮の翼:市場の失敗 88
はじめに 88
1.日本ないし朝鮮の航空輸送 89
2.朝鮮における飛行場:「飛行場ハ其ノ性質上民間個人的所持スルコトハ
中々出来ナイ仕事デアリマス」 91
3.朝鮮での民間航空事業 97
4.「輸送実績ならびに収支状況はつまびらかにされていない」 99
むすび 103
Ⅱ—4 企業家の活躍 126
─北鮮合同電気㈱の形成過程を事例に─
はじめに 126
1.北鮮合同電気㈱形成の理由・原因 126
2.北鮮合同電気㈱の成立過程 129
3.北鮮合同電気㈱の変貌過程 131
4.解放後における北朝鮮の電力業 137
むすび 139
Ⅱ—5 植民地朝鮮の証券市場のベールを外す 145
はじめに 145
1.植民地朝鮮の証券市場 148
2.1935〜1943年における朝鮮株の動き 152
3.1942年における「朝鮮株式」 155
むすび 159
Ⅱ—6 朝鮮電力業の調達資金の長期的動向 166
はじめに 166
1.基礎的データに対する検討 167
2.統計数値による検討:払込資本金・借入金・社債・積立金の動向を中
心に 168
3.資本の動きの原因および理由 170
むすび 171
Ⅱ—7 朝鮮電力業における電気教育機関および
朝鮮人「人的資源」の形成 174
はじめに 174
1.実態下における電気教育機関および朝鮮人人的資源 174
(1)電気教育機関 174
(2)朝鮮人人的資源 176
2.戦争下における電気教育機関および朝鮮人人的資源 179
(1)電気教育機関の拡充 179
(2)朝鮮人人的資源 182
むすび 188
Ⅲ 韓国経済 193
Ⅲ 韓国経済の研究動向 194
Ⅲ—1 カエルの跳躍 197
─「新々貿易理論」の実証による企業の役割への確認─
はじめに 197
1.比較優位論・新貿易理論・新々貿易理論 198
2.盲蛇に怖じず:サムスン半導体の登場 201
3.天下取りに動いたカエル:サムスン半導体の試練と躍進 202
4.飛べ!カエル!(陳嬴塭! 偃掘葬!):さらなる躍進 206
むすび 208
Ⅲ—2 もう一つの立役者 216
—石油産業における管理人の役割—
はじめに 216
1.全民濟登場以前における韓国石油産業 216
2.韓国石油産業の「準備段階」および全民濟の登場 218
3.韓国石油産業の具現化:朴政権の石油産業成立への働きかけ 224
4.さらなる全民濟の活躍 228
(1)全民濟が勝ち取ったガルフ・オイル借款 228
(2)全民濟が育てた技術者 229
5.油公の成立 231
むすび 232
Ⅲ—3 韓国経済に号令をかけたのは何者だったのか? 241
—生産要素および産業構造を中心に—
はじめに 241
1.韓国経済成長を牽引していたのは,如何なるものであったのか? 241
2.製造業へ導いていたのは,かつ製造業への資本投下を促していたのは,
何者であったのか? 243
むすび 246
Ⅲ—4 朝鮮・韓国製造業における地域特化および局地化 249
はじめに 249
1.朝鮮・韓国製造業における位置付け 250
2.地域特化指数および局地化指数の計算方法 252
3.朝鮮・韓国製造業における地域特化と局地化の動向 253
4.決定要因 258
むすび 259
Ⅲ—5 過去は現在のなかに能動的に作用して生きているわけではない! 262
—第1次経済開発5か年計画を事例に—
はじめに 262
1.戦前における日本・朝鮮の経済政策 262
2.第1次経済開発5か年計画 263
3.第1次経済開発5か年計画の三つの軸:①不均衡成長戦略,②ハロッド・
ドーマーモデル,③所得倍増計画 266
むすび 267
Ⅳ 北朝鮮経済 271
Ⅳ 北朝鮮経済の研究状況 272
Ⅳ—1 なぜ北朝鮮経済はポシャったのか? 274
—北朝鮮電力業を事例に—
はじめに 274
1.解放後の北朝鮮電力:光の復活 274
2.休戦後の北朝鮮電力:戦の休止 278
3.社会主義崩壊後の北朝鮮電力:劇団ひとり 285
むすび 289
終章 307
参考文献 312
索 引 327