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野中 恵子 (著)
242ページ
ISBN-10: 480680570X
ISBN-13: 978-4806805700
発売日: 2007/9/30
2500円+税
野中 恵子(のなか けいこ)
1965年高知県生まれ。関西学院大学文学部卒業。フリーランス研究者、作家。トルコの現代事情や歴史、文化をテーマに研究・執筆・通訳などに携わる。 著書:『ゾーリンゲンの悲劇』(三一書房)、『世界遺産 イスタンブール歴史の旅』(小学館、共著)、『「対テロ戦争」とイスラム世界』(岩波書店、共著)、『最後のローマ皇帝 大帝ユスティニアヌスと皇妃テオドラ』(作品社)など
ヨーロッパにおける資本主義と自由の旗手・西ドイツの高度成長を支えるべくトルコ人労働者が正式に派遣されることになったのは、一九六一年の、奇しくも壁が造られ始めてからわずか二ヶ月後だった。おりしもトルコは前年、後に二度繰り返されることになる軍部のクーデタを体験し、長い混乱と抑圧の時代に入っていた。経済の低迷とともに、壁に象徴される東西のイデオロギー対立の波及を受け、偽装のものも含め多くの難民もヨーロッパに向かい始めた。移民社会はさまざまな背景の人々が混在する坩堝となり、定住化とともに膨張したのだ。(あとがきより)
目次
新版に寄せて
はじめに
第一章 出稼ぎの流れ
一、旧西ドイツへの労働力提供の歴史
二、トルコにとっての出稼ぎの意味
三、出稼ぎの道
四、ドイツ労働市場におけるトルコ人
第二章 ドイツ社会の中で
一、クロイツベルク・ベルリンの中のトルコの町
二、ドイツ社会への不適応
三、異邦社会での女性たち
四、広がる外国人敵視感情
第三章 帰国
一、帰国の現実
二、投資時代の足跡
第四章 二世・三世のドラマ
一、「喪失世代」
二、教育の問題
三、暗闇の中の少年たち
第五章 移民社会の成熟
一、移民の団結と組織化
二、移民と難民
三、ドイツ新外国人法
四、政治への参加権を求めて
第六章 二一世紀への展望
一、ドイツ再統一の影響
二、EC市場統合とトルコ人労働者
名もなき労働者たち
おわりに
あとがき