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中国の図書情報文化史―書物の話 高ヒット

工藤 一郎 (著)
208ページ
ISBN-10: 4806805424
ISBN-13: 978-4806805427
発売日: 2007/03/15

1800円+税

 

工藤 一郎(くどう いちろう)

1933(昭和8)年1月、山形県長井市生まれ。 東京教育大学大学院修士課程終了。 東京大学東洋文化研究所他勤務。 前大阪学院大学教授(図書文化史) 著書『中国図書文献史攷』(明治書院、2006年10月)、『文化の小径』(凸版印刷、2004年、絶版)。

 

中国は、その民族独自の歴史と伝統をともかく三千年にわたって継続させてきた世界唯一の国である。書籍文化はその中でどのような歴史的展開をしたのだろうか。。 その底流にあるものは何か。かつ、それが、他の国には顕著にみられず、この国独自に存在するものは何かをまず考察してみたい。(はじめにより)

 

目次

はじめに 図書情報文化史の底流    9

漢字―文化圏を結合するもの/史官―神聖な家学の伝統/述而不作(『論語』)―上古三代の聖人の祖述/古典と目録―家学・地域文化の包含集積/発憤書―司馬遷「太史公自序」より/正史―王朝興亡を超越/類書―全書籍のなかばは類書体/読書人―文明の担当者である官僚知識人

 

前編  書写の時代

第一章 簡牘の時代(春秋・秦・漢)

第一節 文書のはじめ―殷・周(甲骨・金石の時代)     34 文字の発明―漢字を司る人々(卜・貞人・史官)/蔵書の起源・档案/共同祭祀の変遷と文学誕生  

第二節 古典の成長と著作立説―春秋戦国    40 百家爭鳴―国際交流/士―知識人の登場  

第三節 焚書坑儒と『七略』・『別録』―秦・漢    45 焚書坑儒(書厄一)挟書禁令―思想統一/儒教独尊体制―以後二千年の思想の枠組固定化/『別録』・『七略』―古代学術史の総括/槐市と『方言』―大学の起源と共通語/熹平石経―標準テキスト/後漢末の紙と情報―蔡倫と鄭玄

第二章 紙の時代(三国・南北朝・隋・唐)  

第四節 類書と仏教目録・私家目録の増加―魏晉・南北朝    60 類書的書籍の登場―『皇覧』と四部分類/大蔵経の編纂由来/紙文化の定着と書人—簡冊から紙へ/秘書監―図書館行政の一元化  

第五節 『隋書』経籍志と集賢殿書院―隋・唐    75 中世学術の総括―『隋書』経籍志・『群書四部録』/集賢殿書院の蔵書利用―経と伝・注・疏・正義/集賢院と唐代詩人たちー白居易の場合/唐の私家蔵書家と訳経―「鄴架」と寺院の蔵書管理

 

後編  印刷の時代

第三章 木版印刷の時代(唐末・宋・元・明・清)  

第六節 印刷術の発明と巻物から冊子体へ―唐末・五代    92 印刷術の起源と知識の開放―「金剛経」と馮道『九経』印売/読書革命―印刷と冊子体  

第七節 文治政策と興文署出版―宋・元    99 崇文院と館閣制度―中央集権と四大類書の編纂/宋代の書禁―契丹・金と日本/宋代出版の特徴―出版地の全国化と私家蔵書目録/元代書院出版―白鹿(江西)・石鼓(湖南)・岳麓 (湖南)・応天(河南)の四大書院/元代中央出版機構―興文署とその他の蔵書閣    

第八節 図書事業の全盛期 (『永楽大典』と『四庫全書』)―明清    115 明『永楽大典』と出版事業―内府と地方の場合/明末の出版盛況―商人の活躍と小説・戯曲/明代の蔵書家―書友と文社の活躍/清朝欽定書―『四庫全書』と禁書/清代蔵書家―本格的書誌学者群の活躍と叢書の出版/近代図書館の萌芽―封建蔵書楼の衰亡/民衆の読書環境―饅頭舗や暦売り兼業の貸本屋

第四章 活版印刷の時代(民国―現在)  

第九節 近代図書館の成立―民国から共和国へ    144 啓蒙期の図書館思想と図書館設立―林則徐・李鴻章など/近代的出版業の成立と図書装幀の変化―商務印書館と中華書局/民国期の図書館―革命運動と図書館条例/解放区の図書館運動―抗日期から内戦期へ  

第十節 文革から四つの現代化へ―人民共和国    160 建国四十年の経過―伝統的管理法から現代的技術段階へ/社会主義現代化と国際化―今日の課題

 

おわりに 漢字文化圏と記録の意味するもの    167 漢字の簡素化と表音化/著者性/档案館/付―【六・四事変以後の一般的観測】(一九八九年一二月)

 

注 172

参考文献 175

中国図書文献年表 179

あとがき 192

索引(人名・書名・事項) 206
 

 

 

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