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韓国歴代大統領とリーダーシップ  高ヒット

金 浩鎮  (著), 小針 進 (翻訳), 羅 京洙 (翻訳)

384ページ

ISBN-10: 4806805742
ISBN-13: 978-4806805748
発売日: 2007/12/19

4500円+税

 

著者

金 浩鎮 キム・ホジン 高麗大学名誉教授、元労働部長官

1939年生まれ。高麗大学政経学部政治外交学科卒、ソウル大学行政大学院修士課程修了、ハワイ大学大学院修士・博士両課程修了。政治学博士。ハワイ大学政治学科講師、高麗大学政経学部行政学科教授、ケンブリッジ大学交換教授、ベルリン自由大学交換教授、高麗大学労働問題研究所所長、高麗大学労働大学院院長、韓国政治学会会長、韓国経済正義実践市民連合顧問、韓国労社政委員会委員長、労働部長官、世宗大学理事長などを経て現職。著書に『第三世界の政治経済学』、『韓国政治体制論』(邦訳『韓国政治の研究』、三一書房)、『社会合意制度と民主主義』、『労働と民主主義』、『大統領とリーダーシップ』などほか多数。

 

訳者

小針 進 こはり・すすむ

1963年生まれ。東京外国語大学外国語学部朝鮮語学科卒、韓国・西江大学公共政策大学院修士課程修了、ソウル大学行政大学院博士課程中退。外務省専門調査員(在ソウル)などを経て、現在、静岡県立大学国際関係学部教授。韓国社会論専攻。著書に『韓国人は、こう考えている』(新潮社)、『韓国と韓国人』(平凡社)、『韓流ハンドブック』(小倉紀蔵との共編著、新書館)など。

 

羅 京洙 ラ・キョンス

1973年生まれ。高麗大学政経学部新聞放送学科卒、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程修了、同博士後期課程在学中。現在、早稲田大学アジア研究機構助手、静岡県立大学および亜細亜大学非常勤講師。国際関係論・国際移動論専攻。論文に「越境するコリアン—域内移動の視点から」西川潤・平野健一郎編『東アジア共同体の構築3・国際移動と社会変容』(岩波書店)など。

 

記録される歴史と記憶されるリーダーシップを選り分ける。

最高権力者は歴史の舵取りである。操舵に成功した者は歴史を作り上げ名声を得る。一方、失敗した者は罵倒と忘却の対象となる。

筆者は、このような問題意識に基づきながら、韓国現代政治史の流れを追いつつ、そこに映された最高権力者たちのリーダーシップを解いてみた。記録される歴史と記憶されるリーダーシップを選り分けるためである。

それでは、韓国現代史において国家経営に成功したリーダーは誰なのか、また失敗した者は誰か。なぜ、ある者は成功し、またある者は失敗するのか。そして彼らの与える教訓とは何であろうか。

歴代大統領の人生は波瀾万丈である。歴代大統領の分析と、退任の盧武鉉政権に対する評価を現地より早く報告する。(はじめにより)

 

目次

日本語版によせて─ドラマのような韓国政治は日本政治とここが違う 3

はじめに 7

第一部 政治と国家経営─政治は国家経営である

第一章 職業としての政治と政治家     23

1.政治とは何か 24

2.政治家は何者か 27

3.政治家と厚黒学 33

4.職業政治家の類型 36

第二章 なぜリーダーシップなのか     43

1.誰が歴史を導くのか 44

2.どのような人物が大権を握るか 48

3.国家経営者の条件と徳目 54

4.国家経営者のリーダーシップ類型 65

第三章 国家経営の主な変動要因     69

1.準備されたリーダーシップ 70

2.人事が王道である 73

3.政府・議会の関係と国政効率 76

4.政治権力とマスコミ 79

第四章 国家経営とリーダーシップ戦略      83

1.リーダーシップ戦略とは 84

2.リーダーシップ戦略としてのマキャベリズム 85

3.リーダーシップ戦略としてのポピュリズム 90

4.リーダーシップ戦略としての官僚的権威主義 93

5.リーダーシップ戦略としての参与民主主義 97

第二部 大統領とリーダーシップ─権力の栄枯盛衰と現代史の屈曲

第五章 李承晩─家父長的権威型(一九四八〜一九六〇年)     103

1.李承晩をどう見たら良いのか 104

2.王族の後裔に生まれる 105

3.初代大統領になる 109

4.李承晩の国家経営と支配戦略 113

5.三・一五選挙と四・一九革命 119

6.李承晩とマッカーシズム 122

7.李承晩リーダーシップの特徴 126

8.李承晩の再認識 129

9.李承晩の教訓 133

教訓一─権力者の意志が民主主義のカギである 教訓二─権力の命は「合法性」と「道徳性」にある 教訓三─政権の延長には名分がありえない 教訓四─コンプレックスは両面性がある 教訓五─指導者にとって委任統治は自滅の落とし穴である 教訓六─指導者にとって「人のカーテン」は禁物である

第六章 張勉─民主的漂流型(一九六〇〜一九六一年)     139

1.張勉は何者か 140

2.李承晩政権の崩壊と張勉政権のスタート 142

3.民主党の内紛と張勉政権の漂流 144

4.張勉政権の崩壊 148

5.張勉政権の崩壊要因 151

6.張勉リーダーシップの特徴 156

7.張勉の教訓 158

教訓一─政治には紳士道がない 教訓二─効率無き民主は無意味である 教訓三─後進国の指導者は銃口を警戒しなければならない

第七章 朴正煕─教導的企業家型(一九六一〜一九七九年)     163

1.民主主義の葬式を挙行した反則の革命家 164

2.朴正煕の権力動機 165

3.五・一六軍事クーデターと大権掌握 170

4.「パン」と「自由」を取り替えた近代化の旗手 172

5.朴正煕の「用人術」 176

6.朴正煕の支配戦略 180

7.朴正煕の死と維新体制の崩壊 184

8.朴正煕はなぜ独裁者になったか 187

9.朴正煕は復活するのか 190

10.朴正煕の教訓 193

教訓一─指導者のリーダーシップは柔軟性がなければならない 教訓二─指導者は業績でものを言う? 11.朴正煕の再認識 195

第八章 全斗煥─猪突的解決師型(一九八〇〜一九八八年)     201

1.荒野の狂風のように一時代をさらう 202

2.大権掌握の過程 205

3.全斗煥の支配戦略 211

4.馬鹿力で押し通した経済政策 217

5.全斗煥の業 220

6.全斗煥の秘密資金と腐敗 225

7.全斗煥のリーダーシップ 229

8.全斗煥の教訓 233

教訓一─クーデターも名分と教理がなければならない 教訓二─指導者に衝動性は禁物である 教訓三─権力が家族主義に陥ったら、必ず自滅する 教訓四─過誤ある権力は先が無い

第九章 盧泰愚─消極的状況適応型(一九八八〜一九九三年)    239

1.八公山の裾野で生まれる 240

2.第五共和国の第二人者 242

3.六・二九宣言と大権掌握 243

4.成功した第二人者から失敗した大統領へ 249

5.盧泰愚リーダーシップの特徴 254

6.盧泰愚の教訓 258

教訓一─盧泰愚の二重性 教訓二─大衆操作を警戒しなくてはならない 教訓三─失われた五年

第一〇章 金泳三─攻撃的勝負師型(一九九三〜一九九八年)    263

1.金泳三は何者か 264

2.金泳三と一〇・二六事態 267

3.第一四代大統領になる 270

4.金泳三の国家経営 271

5.頭を下げた民主化の旗手 278

6.金泳三リーダーシップの特徴 280

7.金泳三の教訓 285

教訓一─政策連帯が国家経営の成否を左右する 教訓二─過去にこだわると、未来を失う 教訓三─国家経営者は準備が整っていなくてはならない 教訓四─権力者は周辺の管理に徹底すべきである

第一一章 金大中─啓蒙的説教型(一九九八〜二〇〇三年)    289

1.金大中の出生と成長 290

2.「三転び四起き」で国会議員になる 293

3.大統領選挙への初挑戦 295

4.八〇年の春と五回目に遭った死線 298

5.六月民主化闘争と三度目の大権挑戦 300

6.四度目の大権挑戦と金大中時代の展開 302

7.国家経営の優等生を夢見る 305

8.民族和解を実践する 308

9.金大中とアカ論争 310

10.金大中リーダーシップの特徴 313

11.金大中の帝王学 318

12.金大中の教訓 321

教訓一─成功は代価を要する 教訓二─指導者は温情主義を警戒すべきである 教訓三─国政は透明性がなくてはならない

第一二章 盧武鉉─脱権威的実験実習型(二〇〇三〜二〇〇八年)    325

1.盧武鉉は何者か 326

2.貧困のなかで育つ 327

3.七転び八起きで裁判官になる 328

4.初当選の盧武鉉、スターになる 329

5.庶民の息子、大統領になる 331

6.弾劾とリーダーシップの危機 335

7.変化の風をおこす 336

8.理念を追い求めて実用を見逃す 339

9.競争力が墜落する 341

10.盧武鉉とジャクソン 343

11.盧武鉉の支配戦略 346

12.盧武鉉リーダーシップの特徴 348

13.盧武鉉リーダーシップの教訓 350

教訓一─最善の政治は経済だ 教訓二─指導者に饒舌は自害のブーメラン 教訓三─君主は真ん中を使うべき

14.盧武鉉の差別性と限界 354

第一三章 勝者は誰か     357

1.韓国における国家経営者の権力の胎盤 358

2.大統領の彫像を作ろう 363

3.権力者は「発つ鳥跡を濁さず」でなければ 366

参考文献 372 一、英語文献 二、韓国語文献

訳者あとがき 380

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