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中東の永続的動乱 高ヒット

中東の永続的動乱─イスラム原理主義・パレスチナ民族自決・湾岸・イラク戦争

ジルベール アシュカル (著)

岩田敏行(編)
360ページ
ISBN-10: 480680584X
ISBN-13: 978-4806805847
発売日: 2008/3/26

3500円+税

 

ジルベール・アシュカル

 Gilbert Achcar

レバノン出身の国際政治学者。1975年以降のレバノン内戦では文字通り命がけの政治活動にかかわる。その後1983年にフランスに移住してパリ第8大学の教員を務め、現在はロンドンの中東・アフリカ研究スクールで教鞭をとっている。その論評やインタビューは世界の数多くの新聞・雑誌に掲載され、注目を浴びている。邦訳書に『エルネスト・マンデル——世界資本主義と20世紀社会主義』(つげ書房新社)、『野蛮の衝突』(作品社)がある。

 

本書の構成は、第4次中東戦争の敗北を契機にして復活してきたイスラム原理主義について解き明かすところから始まっている。パレスチナにおけるハマス、レバノンにおけるヒズボラの台頭をみるまでもなく、イスラム原理主義の動向は、ここ20年間の中東における政治的展開の最も重要な特徴のひとつになっているからである。 第2部では、インティファーダにみられるパレスナ人民のあらたな闘い、その闘いを抑え込みPLOを体制内に取り込みながらすすめられる「中東和平」、そしてパレスチナ情勢と深く連動するレバノン情勢を取り上げた。ここでは、「アパルトヘイト体制」と同義の「中東和平」が進行するのか、それともそれに抗して「パレスチナ人密集地域からのイスラエル軍の無条件撤退、独立主権パレスチナ国家」が実を結ぶのかという攻防が目下の焦点になっていることが明らかにされている。 そして、第3部ではイラクのクウェート侵攻に端を発した第1次湾岸戦争(1991年)と、イラクが大量破壊兵器を保有しているとの言いがかりをもって始められた第2次湾岸戦争=イラク戦争(2003年)を取り上げた。この2つの連続する戦争は、アメリカを中心とする帝国主義の強大な軍事力が直接行使されたという点で、それ以前の中東戦争とは質的に異なるものとなった。

 

目次

編者はしがき 1

第1部 イスラム原理主義とは何か……………………………………………………………………………9

 イスラム原理主義とは何か(87年夏) 11  

マルクス主義と宗教——昨日と今日(04年10月) 38

第2部 パレスチナとレバノン……………………………………………………………………………………67

インティファーダ——新しい世代を中心にした大衆蜂起  

パレスチナ人民の反乱(88年1月) 70

 インティファーダのダイナミズム(89年3月) 84

暫定自治協定——パレスチナ人の権利を排除  

中東和平会談——永続的戦争を内包するプロセスの強化(91年11月) 108  

パレスチナ暫定自治協定とパレスチナ解放闘争(94年1月)   118

レバノン——イスラエルの侵略をめぐる攻防(96年・06年)

 イスラエルのレバノン侵略(96年5月) 148  

ヒズボラの勝利は何を意味しているか(00年6月) 157  

人質問題を口実にしたイスラエルの軍事侵攻(06年7月) 166  

勝者はヒズボラ、敗者はイスラエル(06年7‐8月) 174

第3部 イラク——血と石油 ………………………………………………………………………………………191

第1次湾岸戦争(91年)  

帝国主義の新たな十字軍(90年9月) 194  

湾岸戦争——何が賭けられているのか(91年2月) 227  

イラク空爆——もうひとつのキリング・フィールド(91年2月) 245  

血と石油——湾岸戦争のバランスシート(91年3月) 254

第2次湾岸戦争とイラク内戦(03年〜)  

イラク戦争——進撃の体制を整える「帝国」(03年2月) 274  

イラクはいま——広がる抵抗闘争と米軍事占領政策の危機(03年6月) 283  

イラク——秩序の崩壊と「内戦」の進行(06年2月) 300  

中東の動乱と悪夢のアメリカ帝国(07年12月) 328

中東関連年表 354

 

 

 

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