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書名:増補 部落史紀行
著者:黒田伊彦(くろだ よしひろ)
A5並製/272頁
定価3200円+税
ISBN-13:9784806807674
発売日:2023年9月7日
なぜ、「差別」を「けじめ」と読むのか
なぜ、葬式を出した家は喪中葉書を出すのか
なぜ、「かごめ、かごめの歌」で「夜明けの晩に鶴と亀はすべった」のか、等々。
日常生活で気づかない部落差別を解明する!
高校、大学の学習実践から生まれた部落史の現風景と被差別民の文化・芸能・技術の創造
力・部落解放運動の天皇制との闘いと戦争責任に迫る増補版!
著者:黒田伊彦(くろだ よしひろ)
1936年生まれ、大阪学芸大学(現大阪教育大学)卒業、大阪府立富田林高校、長吉高校教諭等を経て、関西大学(社会教育計画論)、桃山学院大学(同和教育論)、浪速短期大学(部落問題論)、南海福祉専門学校(人権教育)非常勤講師を歴任。
1969、70年大阪府高等学校教職員組合書記次長専従、1973年大阪府同和教育指導員として大阪府立高等学校同和教育研究会事務局員、解放大学第1期生の研修を経て、大阪市立矢田青少年館・青年館(矢田解放塾)へ出向、1981年から大阪府立高等学校用教育研究会理事を務む。同時に矢田地区の社会同和教育活動に従事。
1997年、大阪府立高等学校同和教育研究会理事を退任。部落解放・人権研究所反差別部会幹事、矢田同和教育推進協議会副委員長、部落解放同盟矢田解放塾副塾長他兼務。現在、すべて退任。部落解放・人権研究所正会員、全国大学同和教育研究協議会会員、全国部落史研究会会員、「日の丸・君が代」強制反対大阪ネット特別運営委員(前代表)、「竹島の日」を考え直す会副代表、東アジアの領土教育研究会顧問、大和川市民ネットワーク副代表、国土交通省大和川作品コンクール審査会委員長、「わたしたちの大和川」研究会代表。
著書『解放教育実践論(上・下)』『部落問題学習十六講』『あの日この日人権歳時記』『改訂部落問題・人権・同和教育教材集』『人権総合学習 よみがえれ! 大和川』(編著)(いずれも柘植書房新社)『川辺の民主主義(共著)』(アットワークス)
【目次】
はじめに 6
Ⅰ部 部落史の風景
一 山椒太夫伝説と部落問題 12
二 最後の一向一揆を歩く 18
三 大和川付け替え工事と矢田の部落の起こり 23
大和川付替反対の百姓は人夫の民宿をした 38
四 渋染一揆史跡探訪 40
五 渋染一揆の墓石と牛窓海遊文化館の朝鮮通信使資料室 47
渋染一揆の参加者は約一五〇〇人が妥当 54
強訴参加数と別段御触書撤回の有無についての教科書記述批判 56
六 真崎稲荷と七分の一の命事件 58
七 吉田松陰の恋と部落問題 63
八 「破戒」の風土︱藤村と部落問題 68
一部 小諸編 68
二部 飯山編 78
三部 部落解放運動編 86
九 洞部落の強制移転と神武天皇陵 96
十 別府的ヶ浜部落焼き討ち事件と解放歌 115
十一 水平社発祥の地、奈良・柏原北方を訪ねて 125
山田孝野次郎の小学校教科書記述の間違い 134
十二 二〇二一年度大阪府の中学生チャレンジテストの「一休のとんち話」出題の部落差
別性を糺す 136
Ⅱ部 部落差別と天皇制
一 解放教育と天皇制 148
二 部落差別を拡大する雅子ブームの奸策 164
三 部落解放同盟の綱領・規約改正と問題点 173
四 狭山差別裁判糾弾闘争の綱領からの削除をめぐって 196
大逆事件と部落 204
西光万吉と天皇主義 205
五 全国水平社一〇〇年〜部落解放と天皇制との闘い 207
水平社宣言の今日的意義 208
西光万吉の皇産主義と松本治一郎の「世界の水平運動」批判 212
天皇制存続の論議ではなく、共和制の私擬憲法運動を! 231
Ⅲ部 部落史こぼれ話
部落史こぼれ話 238
第一話 けじめと身分制度 238
第二話 ぞうりかくしの歌と長吏坊 239
第三話 「かごめ」は遊女の逃亡を非難する歌かも? 242
第四話 ヤブ医者と解体新書 245
第五話 俳句に見る部落問題(奥の細道) 249
第六話 靖国神社と被差別部落 252
第七話 原爆の図に描かれた部落差別と民族差別─「高張提灯」と「カラス」 253
第八話 教科書無償化を勝ち取った部落の子ども達 255
第九話 日本の伝統文化と被差別民 258
あとがきにかえて 続「部落悲惨史論の克服と解放の学力」について 262
初出一覧 266