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阿古 潤哉(監修)
寺島 正浩(監修)
藤田 英雄(監修)
224ページ
ISBN-10: 480680648X
ISBN-13: 978-4806806486
発売日: 2013/7/19
2200円+税
監修
阿古潤哉(あこ じゅんや)
医学博士。現職・北里大学医学部循環器内科教授。1991年東京大学医学部卒業。東京大学附属病院、1992年三井記念病院、1996年東京 大学附属病院老年病科を経て、2001年米国スタンフォード大学客員 研究員。2009年自治医科大学附属さいたま医療センター循環器科教授。2013年より現職。〔所属学会〕日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本老年医学会・日本心血管インターベンション治療学会等。
寺島正浩(てらしま まさひろ)
医学博士。現職・心臓画像クリニック飯田橋院長。1993年神戸大学医学部卒業。神戸大学附属病院等を経て、2000年米国スタンフォー ド大学循環器内科研究員。2001年国立循環器病センター心臓血管内 科。2003年再渡米、スタンフォード大学にて循環器内科アカデミックスタッフ、その後ディレクター・ファカルティを務める。2009年 11月心臓画像クリニック飯田橋を開院、現在に至る〔所属学会〕日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・米国心臓病学会特別正会員・心血管 MR 学会・心血管 CT 学会・国際 MRI 学会。
藤田英雄(ふじた ひでお) 医学博士。現職・東京大学大学院医学系研究科健康空間情報学講座・東京大学医学部附属病院循環器内科准教授。1989年東京大学医学部卒業。東京大学附属病院、1990年三井記念病院、2000年北里大 学循環器内科を経て、2002年米国ヴァンダビルト大学博士研究員。 2005年東京大学附属病院助手。2009年より現職。〔所属学会〕日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本救急医学会・日本医療情報学会。
■執筆(執筆順)
假屋 太郎 東京大学医学部附属病院循環器内科
寺島 正浩 心臓画像クリニック飯田橋
山田 容子 自治医科大学附属さいたま医療センター循環器科
阿古 潤哉 北里大学医学部循環器内科
藤田 英雄 東京大学医学部附属病院循環器内科
宇賀田 裕介 自治医科大学附属さいたま医療センター循環器科
この20年ほどの循環器領域の臨床医学・医療技術は確実に進化を遂げています。予防として危険因子への治療がより精密にガイドラインとして提供され、診断もCTやMRIをはじめとしたイメージング領域の発展により、早期に正確な診断が可能となりました。さらに治療学においても、医学的理論に基づく薬物療法がより成果をあげ、カテーテルを用いたインターベンションと外科手術が、両者しのぎを削りつつ新たなデバイスの開発とともに治療可能性を大きく広げ、また重症の心不全には、国内で法改正とともに心臓移植が実績を伸ばしつつ、新たな植え込み型補助人工心臓がさらに進化を遂げるなど、循環器領域の臨床医学全体はめざましい進歩を達成しつつあります。 また、iPS細胞に代表される再生医学の臨床応用も夢物語ではなくなりつつあります。このような時代、医療が複雑化するのに伴い、医療は医療者によって一方的に提供されるのではなく、患者さん自身が必要な医療情報をもって治療法を選択する、主体性とともに自己決定権を尊重した医療が重要になってきています。 そこでこの書籍は、循環器領域の現状について最新の医学的成果を盛り込み、患者さんが予防・治療において必要な、的確な情報を得ていただくことで、その成果をさらに確実にする一助としていただくべく企画されました。第一線の臨床現場に専門性をもって携わる複数の医師の執筆により、循環器臨床の重要領域をほぼカバーしうるユニークな書籍になったものと自負いたします。(はじめにより)
目次
はじめに—— 藤田英雄
第1章 心臓病の理解 假屋太郎
I 心臓の働きと仕組み——
心臓の構造/ポンプとしての心臓の仕組みと血液の流れ/心臓に栄養を与える冠動脈/血液 の逆流を防ぐ弁/心臓の動きを制御する刺激伝導系
II 多種多様な心臓病——
冠動脈の病気(冠動脈疾患)/脈拍のリズムが乱れる病気(不整脈)/弁の病気(心臓弁膜症)/心筋の病気/心膜の病気/生まれつきの構造の病気(先天性心疾患)/右心系の病気/大動脈の病気
Column 1 急性冠症候群
Column 2 心不全―急性心不全と慢性心不全
Column 3 心タンポナーデ
Column 4 成人先天性心疾患 
第2章 病院を受診するタイミング I假屋太郎・IIIII寺島正浩
I こんな症状があったらすぐに病院へ
安静にしていても胸が痛い・苦しい/歩いたり運動すると胸が痛くなる・苦しくなる/胸と 背中(と腰)が痛い/急に息が苦しくなった/気が遠くなる
II 症状が出る前の早期受診が重要
冠動脈疾患は早期受診で予防/検診の積極的な受診
III 受診先の選び方
かかりつけ医を決める/心臓ドックの利用/心臓病専門施設を選ぶ
Column 1 息切れ・むくみ
Column 2 気を失ってしまった人を見かけたら
Column 3 心臓特化型イメージングセンター
第3章 心臓病の検査 寺島正浩
I スクリーニング検査 II 検査の種類
血液検査/心電図検査/胸部X線検査/心臓超音波(心エコー)検査/心筋シンチグラフィー検査/心臓CT検査/心臓MRI検査/心臓カテーテル検査/電気生理学的検査
Case 1 左冠動脈前下行枝に高度の狭窄が見つかった 37歳Aさん
Case 2 動脈硬化性プラークが見つかったBさん
第4章 心臓病の治療 I~VI山田容子・阿古潤哉・VII假屋太郎
I 冠動脈疾患の治療 薬物療法/非薬物療法/手術療法
II 不整脈の治療
頻脈性不整脈の治療/徐脈性不整脈の治療/期外収縮の治療
III 心臓弁膜症の治療
大動脈弁の病気の治療/僧帽弁の病気の治療/三尖弁・肺動脈弁の病気の治療
IV 心不全の治療
心不全とは/急性心不全の治療/慢性心不全の治療
V 右心系の病気の治療
肺高血圧症の治療/急性肺血栓塞栓症の治療
VI 大動脈の病気の治療
大動脈解離の治療/大動脈瘤の治療
VII 心臓病の処方薬
心臓と脳を守る薬(抗血小板薬)/血栓を防ぐ薬(抗凝固薬)/心筋を守る薬(心不全治療薬) /不整脈を抑える薬(抗不整脈薬)/血管を守る薬(降圧薬と脂質異常症改善薬)
Column 1 心筋のリモデリング
Column 2 抗血小板薬・抗凝固薬の中断には注意が必要
Column 3 狭心症に対する内服
Column 4 心不全に対する内服 第5章 心臓病の予防 藤田英雄
I 一次予防、二次予防
II 生活習慣病と心臓病
高血圧/脂質異常症/糖尿病/禁煙/メタボリックシンドローム
第6章 心臓リハビリテーション 宇賀田裕介
I 心臓リハビリテーションの効果
虚血性心疾患への効果/慢性心不全への効果/心臓・大血管の術後への効果/血管の病気へ の効果
II 運動処方
心肺運動負荷試験(CPX)/CPX以外の運動強度の決め方
III 運動療法の実際
有酸素運動/レジスタンストレーニング
Column 1 最大酸素摂取量
Column 2 嫌気性(無酸素的)代謝閾値(AT)
Column 3 心臓リハビリテーションの現状と課題
おわりに
1これからの心臓病検査—— 寺島正浩
医療ITの活用/心臓画像診断の発展/血液検査、バイオマーカーの臨床応用の進展
2 これからの心臓病治療—— 山田容子・阿古潤哉
カテーテルを用いた大動脈弁狭窄症の治療(TAVI、TAVR)/カテーテルを用いた僧 帽弁クリップによる僧帽弁形成術/筋芽細胞シートなどによる心筋再生治療/完全置換型人 工心臓/生体吸収性スキャフォールド(BVS)の開発