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宣戦布告なき特殊戦争 更新

書名:宣戦布告なき特殊戦争

サブ:ロイター通信記者が見た日中戦争

著者:フランク・オリバー

訳者:鳥居英晴

A5並製340頁

ISBN-13:978-4-8068-0774-2

定価3600円+税

発売日:2025年11月27日

ISBN-13:978-4-8068-0774-2 C0030

 

本書はロイター通信記者だったフランク・オリバーが一九三八年末に書き下し、翌年に出版した『Special Undeclared War』(宣戦布告なき特殊戦争)の翻訳である。オリバーの詳しい経歴は不明であるが、防衛省防衛研究所にある、北支派遣杉山部隊報道部の「在北京外国通信員及記者ニ関スル参考事項」(一九三八年一二月二六日)の中に、オリバーに関する記述がある。それによると、当時、中国駐在十五年、三十六歳とあり、ベテラン記者である。
北支方面軍報道部長を務めた永井卯吉郎大佐は、「支那における外人記者」(支那派遣軍報道部編『紙弾』(一九四三年刊)所収)と題する一文でオリバーについて、「個人として敵性を発揮したものに、今一人北京の『ロイター』通信社員のオリバーなる者がある。彼は『宣戦無き戦争』と題する彼の著書に於て、抗日反日の毒筆を揮って全頁を埋めて居る」と酷評している。
永井はオリバーについて辛辣に述べているが、「在北京外国通信員及記者ニ関スル参考事項」は彼について、「英国人。温厚、能力甲。個人的ニハ立派ナ紳士ニシテ同僚間ノ人気亦極メテ良好ナルモ極端ナル親支反日ナル本社ノ方針ニ禍サレ支那側宣伝乃至ハ北支ニ於ケル遊撃戦等ヲ誇大ニ通信スルコトアリ」と記し、能力を「甲」と高く評価している。日本軍が査定した外国人記者二十人の記者のうち、能力が「甲上」はドイツDNB通信の記者一人、「甲」はオリバーを含め三人だけである。(解説より)

 

■著 者 フランク・オリバー(Frank Oliver)
1920年代から1930年代にかけて、ロイター通信社の上海、北京特派員。

■訳・解説 鳥居 英晴(とりい ひではる)
1949年生まれ。
元共同通信記者。
[著書]『国策通信社「同盟」の興亡-通信記者と戦争』(花伝社)、『日本陸軍の通信諜報戦』(けやき出版)。
[訳書]アンドレイ・ランコフ『民衆の北朝鮮-知られざる日常生活』(花伝社)、アムトレー・ヴェスパ『関東軍特務機関員だったイタリア人の手記』(柘植書房新社)。

 

【主な内容】

序 文
まえがき
第一章 生徒が戻る
第二章 約束された土地
第三章 北京原人から蒋介石まで
第四章 ボイコット対侵略
第五章 中国と日本 戦争に備える
第六章 交渉と侵略
第七章 「宣戦布告なき特殊戦争」の開始
第八章 南京陥落 パナイ号沈没
第九章 武士道が暴走する
第十章 「宣戦布告なき特殊戦争」続く
第十一章 川が流れを変える
第十二章 遊撃戦
第十三章 日本の占領下で
第十四章 日本の占領下で(続)
第十五章 「焦土作戦」と戦争の費用    
第十六章 中国は赤化するか?
第十七章 外国人が影響力を行使する
第十八章 何のために?    
解説 日中戦争と現代
著者について/戦争の経過と言説/過大評価と過小評価/戦争の呼称と歴史認識/「八年抗戦」から「十四年抗戦」へ/抗日戦争史観と対外戦略/中国とどう向き合うか

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