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『資本論』とロシア革命
著者:森田成也
46判上製 290ページ
定価2800円+税
ISBN-13:978-4806807247
発売日:2019/05/21
**電子書籍あり**
資本主義の運動法則とその諸限界を明らかにした『資本論』と、世界で初めて資本主義的世界秩序に本格的に挑戦してそれを部分的に突破したロシア十月革命の偉大な経験は、今日ますます重要な意味を持つようになっている。一部の「マルクス主義者」は、一方で依然としてマルクスを称揚しつつも、十月革命とその後の社会主義建設の経験を単なる「負の歴史」や「逸脱」として抹消しようとしているが、これほど非マルクス主義的な態度もないだろう。われわれは「もう一つの世界」を実現するための教訓を両者から学ぶことができるし、学ばなければならない。本書がその一助となれば幸いである。(序文より)
【目次】
序文 7
第1章 現代資本主義とマルクスの『資本論』 11
はじめに――マルクス没後一〇〇年からマルクス生誕二〇〇年へ 12
1、資本の二つの運動原理――形態的運動原理と実体的運動原理 17
2、連結環としての「労働力商品」――流通から生産へ 25
3、「資本」のつくり出す世界――『共産党宣言』と『資本論』第一巻 30
4、資本の「四つの限界」――労働、市場、自然、資本 41
5、資本の諸限界と現代資本主義 56
おわりに――二一世紀における「社会主義か野蛮か」 66
第2章 デヴィッド・ハーヴェイにおける恐慌論と変革論 75
はじめに――アメリカのラディカルな歴史 76
1、恐慌の共決定論と「資本のアーバナイゼーション」 78
2、社会の共進化と共革命理論 83
3、資本の二つの蓄積様式と二つの対抗勢力 88
4、アナーキズムと新しい社会の展望 94
5、『資本主義の一七の矛盾』と利潤率の傾向的低下 99
第3章 『資本論』第二巻の階級的・理論的可能性 109
1、運輸交通様式と流通過程の実質的包摂 111
2、流通過程における階級問題と搾取 118
3、第二巻第三編における恐慌と階級闘争 125
第4章 ロシア革命の意味と現代世界 133
1、マルクス、エンゲルスにおけるロシア革命観の変遷 135
2、ロシア・マルクス主義の成立から一九〇五年革命へ 138
3、ロシア十月革命の勝利とその後の困難 143
4、ロシア革命の基本的性格 148
5、世界革命の二つの波 151
6、ロシア革命の歴史的「意味」と現代 160
第5章 『資本論』とロシア革命における経済法則と階級闘争 167
1、『資本論』における経済法則と自然法則 170
2、「社会的必要労働」の階級的性格 174
3、協業と分業における階級的諸関係 178
4、資本蓄積をめぐる階級闘争 183
5、『資本論』からロシア革命へ 187
6、フランス語版『資本論』とロシア・マルクス主義 191
第6章 マルクスの『資本論』とロシア革命の現代的意義 203
はじめに――『資本論』、ロシア革命、一九六八年 204
1、『資本論』の時代的・地理的背景 206
2、資本主義の「五つの限界と『資本論』 216
3、「ブルジョア革命の時代」とロシア帝国の独自性 239
4、「永続革命の時代」とロシア革命 249
5、現代における『資本論』とロシア革命の意義 263
第7章 『資本論』のアポリアと二一世紀の課題――マルクス生誕二〇〇年によせて 273
1、『資本論』のアポリア 276
2、二つのミッシングリンク――階級闘争と社会的統合 279
3、資本主義発展の二つの局面――疎外局面と統合局面 282
4、螺旋状の発展と二一世紀の課題 285