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クオ・ヴァディス? ある愛国少年の転生
著 者 彦坂 諦
四六判上製/434ページ
定価4000円+税
ISBN-13:9784806807421 C0093
発売日:8月20日
著者 彦坂 諦(ひこさか たい)
1933年、宮城県仙台市生まれ。父は彦坂忠義(新潟大学名誉教授、原子力物理学者)。1945年、旅順工科大学勤務の父について渡り、1949年10月、大連から「引揚者」として帰国、東北大学で日本史を、早稲田大学大学院でロシア文学を学ぶ。
【主な著作】『ひとはどのようにして兵となるのか ある無能兵士の軌跡第1部』罌粟書房 亜人間の文学 1984年、『餓島1984-1942 ある無能兵士の軌跡第2部(ガダルカナル篇)別巻』罌粟書房 亜人間の文学 1987年、『兵はどのようにして殺されるのか ある無能兵士の軌跡第2部(ガダルカナル篇)』罌粟書房 亜人間の文学 1987年、『『ひとはどのようにして生きのびるのか ある無能兵士の軌跡第3部(フィリピン篇)』柘植書房 1995年、『総年表ある無能兵士の軌跡 ある無能兵士の軌跡最終巻』編著 柘植書房 1995年(いずれも、現在、柘植書房新社で発売中)。
あとがきより
この少年をこのように育てあげた国家は、しかし、一九四五年八月という時点で無惨に崩壊してしまった。この少年の「生涯」は、その時点で閉じられてしまった。にもかかわらず、生きた人間としての彼は、生きつづけなければならなかった。そのために、彼は、必然的に、自分を変えていかなければならなかった。
目次
序章 難民となる 7
1 きみに語りかけるのは、未来のきみだ 8
2 難民となる 16
3 なんという無思慮 20
4 いのちがけの旅 32
5 軍事科学研究室へ来い! 37
6 ソ連軍は破竹の勢いで 47
7 祖国喪失 57
第一章 大連一九四五~一九四六 69
1 その日ぐらし 70
2 立売り 80
3 食いもののにおい 89
4 一夜にして立場が逆転した 96
5 暴動だ! 104
6 ソ連兵も一役買っていた 114
7 大連市政府 124
8 中国経済建設学界 135
9 住宅調整 142
第二章 引揚 157
1 「日本人」 158
2 神の試煉 171
3 故郷と呼ぶことを禁じられている故郷 189
第三章 残留 201
1 大連工専官舎へ 202
2 大連日僑学校 210
3 食糧危機 215
4 はじめての工場づとめ 223
5 生首をくわえて走る犬 230
6 けっこうきみは愉しんでいる 236
7 残留を要請されたら? 251
8 国籍の問題 260
9 引揚と残留の仕分け 271
10 夏の歌だ 277
第四章 予感 289
1 金韓民 290
2 学校の空気が変った 299
3 高等部の設置 305
4 紙幣交換 313
5 倦怠を感じる 323
6 自己批判と相互批判 331
7 竹田先生 342
終章 転生 361
1 玄界灘・つるしあげ 362
2 奇妙なパラドックス 366
3 クオ・ヴァディス? 373
補 遺
補遺1 「引揚」とはなんであったのか? 384
補遺2 国共内戦と大連 415
補遺3 中国共産党とソ連 425
あとがき 431