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書名:毛沢東思想論稿─裏切られた中国革命
著者:王凡西
英語版編訳者:グレガー・ベントン (Gregor Benton)
解説:區龍宇
訳者:寺本勉・長堀祐造・稲垣豊
A5上製/524頁
定価5000円+税
ISBN-13:9784806807629
発売日:2022年10月6日
著者 王凡西(1907 〜 2002)
中国の革命家・思想家・トロツキスト活動家。中国共産党 の古参党員で、モスクワの孫中山大学に留学して左翼反対派(トロツキスト)となる。 帰国後に、中国左翼反対派の結成に加わり、国民党による二度の投獄を経て、中国国 際主義労働者党の結成に参加、指導部の一員となる。1949 年から、香港、マカオ、イ ギリスで亡命生活を送る。邦訳された著書に『中国トロツキスト回想録 中国革命の 再発掘』(柘植書房、1979 年)がある。
英語版編訳者 グレガー・ベントン (Gregor Benton) 1944 年生まれ。
世界的に著名な中国史研究者。 リーズ大学、カーディフ大学などで教鞭をとるとともに(現在はカーディフ大学名誉 教授)、中国現代史や共産主義反対派、中国トロツキズム、海外在住の中国人問題など に関する多くの著書、翻訳書がある。
解説 區龍宇 1956 年生まれ。
香港の労働運動研究家・社会運動家。著書に『香港の反乱 2019 抵抗運動と中国のゆくえ』(2019 年)『香港雨傘運動 プロレタリア民主派の政 治論評集』(2015 年)『台頭する中国 その強靭性と脆弱性』(2014 年)(いずれも柘植書房新社)など。
訳者
寺本勉 1950 年生まれ。
元高校教員。ATTAC 関西グループ事務局員。翻訳書に、區 龍宇など『台頭する中国 その強靭性と脆弱性』(2014 年、共訳)、ジルベール・アシュ カル『アラブ革命の展望を考える 「アラブの春」の後の中東はどこへ?』(2018 年、 共訳)、ミシェル・レヴィー『エコロジー社会主義 気候破局へのラディカルな挑戦』(2020 年)、區龍宇『香港の反乱2019 抵抗運動と中国のゆくえ』(2021 年)(いず れも柘植書房新社)など。
長堀祐造 1955 年生まれ。
慶應義塾大学名誉教授。専門は中国近現代文学。著書に『魯迅とトロツキー 中国における「文学と革命」』(平凡社、2011 年)、『世界史リブレッ ト 人 陳独秀』(山川出版社、2015 年)、訳著に莫言『変』(明石書店、2013 年)。主 な共訳著に鄭超麟『初期中国共産党群像』1・2(平凡社東洋文庫、2003 年)、『陳独秀 文集』第 1・3 巻(同上、2016 ~ 2017 年)など。
稲垣豊 1973 年生まれ。
中国語翻訳者、社会運動家。翻訳に、區龍宇「89 から 19 へ—2019 年抵抗運動の歴史的意義と展望」、陳怡「香港民主化運動の苦境—「無大台」「排外」 「攬炒」という思考」(ともに中国現代史研究会編『現代中国研究』第 46 号、2021 年 3 月)など。
まず何よりも、本書が書かれたのが一九六〇年代前半であるという事実に読者は驚かれるだろう。まだ「文化大革命」が発動される以前に、これだけ透徹した分析がおこなわれていることは、まさに驚嘆の一語に尽きる。それを可能としたのは、中国共産党創設期から党員として活動し、モスクワ留学中にトロツキーら左翼反対派と出会ってトロツキストに転じ、国民党による弾圧で投獄されたりしながらも、中国革命に身を投じ続けたという王凡西の経歴に加えて、彼の革命家、文芸家としての高い理論的能力によるものである。(訳者あとがきより)
主な内容
訳者はしがき
日本語版への序文 グレガー・ベントン
英語版の翻訳にあたって グレガー・ベントン
『毛沢東思想論稿』 王凡西
序言
本論の前に
第一章 個人崇拝
第二章 毛沢東思想の源泉と構成要素
第三章 毛沢東思想と「毛沢東思想」
第四章 卓越した戦術家
第五章 凡庸な戦略家(その一) 新民主主義と永久革命
第六章 凡庸な戦略家(その二) 武装した革命と革命戦略
第七章 理論と実践
第八章 文芸政策と文芸創作
訳者による第八章解説 長堀祐造
第九章 自力更生と「一国共産主義」
第十章 毛沢東の歴史的評価
付録1 プロレタリア文化大革命を論じる
付録2 台湾革命問題に対するわれわれの立場
付録3 毛沢東死後の中国
英訳者による解説 グレガー・ベントン 一 王凡西の人生:手短な概要/二 王凡西の家族/三 異なる種類の共産主義者/四 王凡西『毛沢東思想論稿』の 執筆・出版/五 王凡西と毛沢東/六 『毛沢東思想論稿』の内容/七 王凡西と中国のトロツキストたち/八 結論
解説:易姓革命か、それとも民主革命か 區龍宇
訳者あとがき