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増補 アナフィラキシー─原因・治療・予防
著者:角田和彦
A5判並製 200ページ
定価2200円+税
ISBN-13:978-4806807193
発売日:2018/10/19
初版が発刊されてから、4年。この間にアレルギー関連、食物関連の事象や研究にさまざまな変化がありました。
食物負荷試験や、食べる量、食べる食材の形への考慮がないまま「食べてなおす」が進められ、国外では死亡例が発生。国内でも多くの例でアナフィラキシーを発病し、重篤な後遺症を残す例が報告されました。その後、食べさせる量はかなり減らされましたが、まだ混乱の中にあります。アレルギーは健康状態を壊す毒物や化学物質を察知して避けようとする哺乳動物が進化させた高度な免疫です。無理やりアレルギーを抑えて食べさせると異常なアレルギー反応が起きたり、含まれる毒物や化学物質で病気を起こしたりしてしまいます。せっかく起こしたアレルギーです。大切に考えて対応することが必要です。……
近年、米国やヨーロッパ諸国では農薬や化学物質が子どもたちの神経系の発達や働きを障害することを警告する宣言が出されていますが、日本では対応が遅れています。
……
そのようなさまざまな変化を今回の増補版には付け加えました。日本人の遺伝子に合った食べ方を、化学物質に注意しながら環境も含めて現代風に創生していくことが、とても大切です。アナフィラキシーは食べ方や環境の悪化への警告の叫びです。(「増補にあたって」より)
増補にあたって 2
はじめに 8
第1章 アナフィラキシー
はじめに──アナフィラキシーの治療目標 22
1-1 アナフィラキシー/アナフィラキシーショックとは 22
1-2 アナフィラキシーを起こした時の現場での対応法 27
1-3 アナフィラキシーの死亡例 33
1-4 アナフィラキシーの症状は2相性に起こる 37
1-5 アナフィラキシーを起こす前の既往歴 37
1-6 アナフィラキシー発症前後の食事指導と食事療法 38
1-7 アナフィラキシー死亡統計にみる原因と症例 40
1-8 アレルギーとアナフィラキシー 44
1-9 食物アナフィラキシーの原因食品 48
1-10 アナフィラキシーを起こしやすい状況と悪化させるもの 67
1-11 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー 69
1-12 アナフィラキシーの治療 71
1-13 アレルギーを起こさない状態にする(寛容を誘導) 80
1-14 そもそも「アレルギー」とは? 93
第2章 環境汚染化学物質の影響
2-1 必須脂肪酸の欠乏と脂肪酸代謝の異常がアレルギーを悪化させる 104
2-2 アトピー性皮膚炎における皮脂腺からの異常な脂肪酸の噴き出し 109
2-3 植物性油脂中のトランス脂肪酸 112
2-4 知覚神経を刺激しアレルギー反応を悪化させる化学物質 118
2-5 ディーゼル車排気ガスはアレルギー・食物アレルギーを悪化させる 121
2-6 アレルギー反応を悪化させる殺虫剤・防虫剤・農薬 122
2-7 ここまでのまとめの表 133
2-8 有機塩素系化学物質と重金属の汚染 134
2-9 牛乳中の女性ホルモンの影響 137
2-10 合成洗剤/人工香料 139
2-11 まとめとして 141
第3章 食生活と環境整備
3-1 食事で気をつけること 144
3-2 環境の整備と対策 147
3-3 じんましんの対策(仮性アレルゲンも含めて) 169
第4章 求められるこころのケア──家族が安心して暮らせるために
子どもたちの輝く目──こんな子になれたら 182
目にみえない物が大切・生活術を身につける 184
親のアレルギー・親の生活と食べ方 185
アナフィラキシーに対する心の問題 187
わかってくれる人を見つける 187
アナフィラキシーを理解する 188
そのままを見つめる 188
アレルギーのその奥にあるものを見つめる 189
自分を見失わない 189
楽天的に考える 189
生きがいを見つける 190
化学物質と心の問題 190
あとがきに代えて 194
アナフィラキシーを起こした次女が質問に答える 197
アレルギーで悩んでいる方へ(次女が投稿した文章) 197