李 允福（著）

西垣 鳴人（著）

216ページ
ISBN-10: 4806806552
ISBN-13: 978-4806806554
発売日： 2013/3/31

2500円＋税

 

李 允福（イ・ユンボクLee Yun Bok）

1948年、韓国釜山生まれ。 1972年、韓国延世大学校数学科卒業。 1979年、明治大学大学院博士前期課程修了。 2005年、明治大学博士（経済学）。 2013年、韓国江原大学校経済学科教授定年退職。 現在、江原大学校名誉教授 ■著書 『RATSによる経済時系列分析』ジピルメディア、2012年／『計量経済学の基礎』ビエンエムブッス、2011年／『経済経営数学』ビエンエムブッス、2011年ほか（韓国語）

西垣 鳴人（にしがき なるんと）

1964年、岐阜県生まれ。 1996年、名古屋大学大学院博士後期課程単位取得。 2004年、名古屋大学博士（経済学）。 現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科教授。 ■著書 『ポストバンク改革の国際比較─相対化された郵貯論争』柘植書房新社、2013年／『ディレギュレーション時代の公的金融─民業補完とは何か』御茶の水書房、2003年／『ポストビッグバンの金融システム』千倉書房、2001年（共著）ほか

 

第一に、できるだけ客観的に韓国経済を捉えるために、諸外国との比較という視点を重視し、数量データを豊富に使用していることである。 第二の特徴は、体系的に韓国経済を学べるように工夫されていることである。本書を一通り学習することによって、偏りなく韓国経済の全体像が理解できることだろう。 三番目に、専門性を追及しすぎず、経済学の素人でも容易に理解できるように、経済の基本的知識にもできるだけ解説を加えている。 そして四番目として、日本経済との比較を随所に散りばめてある。両国経済を相対化することを通じて客観性を強化することが目的である。 本書は、経済経営に限らず教養教育課程で学ぶ大学１年生を主たる読者として想定しているが、韓国経済に少しでも興味を持った意欲のある一般読者、あるいは高校生にも読んでいただきたい内容である。もちろん、知識を広げたいビジネスマンや経済の専門家の方々に読んでいただいても、たいへん意義深いことだろう。

 

目次

はしがき……………3

序章韓国経済から何を学ぶか……………9

１ はじめに 9

２ 韓国企業の高い経営パフォーマンス 10

３ 目覚ましい経済発展 11

４ 本書の構成 17

 

第Ⅰ部：韓国経済発展の歴史……………19

第１章発展過程⑴ 1945−70年代……………20

１ 復興期の韓国経済 20

２ 輸出主導型の高度経済成長へ 24

３ 重化学工業の確立期：1970年代 28

第２章発展過程⑵ 80年代−通貨危機……………33

１ 経済の安定化･自立化･開放化 33

２ 通貨危機の発生とその原因 38

第３章発展過程⑶ 危機克服から現在まで……………43

１ IMF経済支援の内容と意義 43

２ 経済危機克服のための構造改革 46

３ 構造改革の成果：1997年以降の10年の比較 50

４ 世界金融危機と韓国経済 54

 

第Ⅱ部：韓国経済の特徴……………59

第４章韓国の経済発展と政府の役割……………60

１ 韓国の経済発展と政府の役割 60

２ 韓国経済の政府関与に関する諸見解 68

第５章韓国経済と財閥……………72

１ 韓国財閥の特性 72

２ 韓国財閥の生成 73

３ 韓国の対財閥政策 75

４ サムスングループ：韓国財閥の実例として 79

５ 韓国財閥の本質と課題 85

第６章主要産業と企業……………87

１ 韓国経済の特徴 87

２ 韓国の主要産業 87

３ 韓国産業における競争力の源泉 94

第７章経済各論⑴：金融……………97

１ 1970年代までの韓国金融制度 97

２ 1980年代以降：自由化と開放化 102

第８章経済各論⑵：財政……………109

１ 財政の役割 109

２ 財政運営実績 109

３ 財政の健全性 117

４ 適正な国家債務比率 119

第９章経済各論⑶：労働……………123

１ 労働政策 123

２ 雇用政策 125

３ 労働市場：80年代以降の変化 128

 

第Ⅲ部：未来に向けた戦略と課題……………133

第10章現代のトピック⑴：グローバル戦略とFTA………134

１ 韓国の貿易政策 134

２ 韓国の対外貿易関係 137

３ 韓国のFTA政策 142

第11章現代のトピック⑵：少子高齢化……………148

１ 少子化現象の進行 148

２ 少子高齢化の影響 152

３ 少子化対策 156

第12章現代のトピック⑶：所得分配と福祉……………158

１ 所得分配と所得不均衡 158

２ 社会保障制度の現状と問題点 161

３ 同伴成長政策 164

４ 家計負債の問題 168

第13章日韓経済関係……………172

１ 日韓経済比較 172

２ 変化する日韓経済関係 179

第14章将来への展望と課題……………189

１ 韓国経済成長戦略の要点 189

２ 韓国の高度成長に対する国際的評価 190

３ 韓国経済が抱える諸課題 195

現代韓国経済年表……………199