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コモン・フェイス―宗教的なるもの 高ヒット

ジョン デューイ John Dewey (著)

高徳 忍 (翻訳)
272ページ
ISBN-10: 4806806838
ISBN-13: 978-4806806837
発売日: 2016/12/5

2500円+税

 

デューイの“A Common Faith”という著作は、この第一章の「宗教対宗教的なるもの」で、特定の宗教に執着しない宗教的態度を、“religion”から区別し、「調整」、「再方向づけ」、「パースペクティブ」、「自然への畏敬の念」、「情緒に触発された道徳性」、「公的な関心」などの概念として“the religious”(「宗教なるもの」)と表現したことで、ある特定の宗教の宗派教育には限定されない「宗教教育」の名著と言ってもいいのではないだろうか。(おわりにより)

 

ジョン・デューイ(John Dewey)

1859-1952年、プラグマティズムを代表する、アメリカの哲学者、教育哲学者、社会思想家。

訳者

髙德 忍(たかとく しのぶ)

1955年福井県生まれ。 大正大学文学部哲学科卒業、大正大学大学院文学研究科宗教学博士課程満期退学、兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了、1984年より千葉県立松戸馬橋高等学校、千葉県立君津農林高等学校、千葉県立千葉工業高等学校、千葉県立千葉東高等学校、千葉県立千葉大宮高等学校を経て、現在、千葉県立幕張総合高等学校教諭、大正大学人間学部人間学科教育人間学非常勤講師。日本カウンセリング学会認定カウンセラー、日本デューイ学会、比較思想学会会員。 専攻:宗教哲学、臨床教育学、カウンセリング心理学

主な著書と論文 『対立と対話─「いじめ」の問題から「対話」の教育へ』柘植書房新社、2010年、『いじめ問題ハンドブック─分析・資料・年表』柘植書房新社、1999年、「純粋理性の理想について─カント『純粋理性批判』における神学批判」大正大学院研究論集第10集、1986年2月、「公民科『倫理』の宗教教育の可。

 

第1章 宗教対宗教的なるもの……………9

二つの意見、二つの陣営 10/宗教的なるものと超自然的なるもの同一視、経験の宗教的な側面の性質、夾雑物 11/宗教の定義と裏の意味 12 /三つの事実(宗教的要素)、目に見えないパワー 13/従順や尊敬 14/道徳的モチベーション 15/宗教の教習、その方法の論理 16/二つのポイント 18/実体名詞としての「宗教」と形容詞としての「宗教的」の区別 20/宗教的質、経験の宗教的要素、宗教的経験 22/経験の質としての「宗教的」 23/神の存在の「証明」、実験的方法 24/あるライターの印象的な記録 25/「証明された」こと=調整、方向づけ、諸条件の複合体の実在性 27/態度 29/「順応」 30/「適合」 31/「調整」、ストア派の決意  31/宗教的態度 33/サンタヤーナ、想像力の「介入する」と「付随して起こる」の区別 33/訓練、「織り混ぜ合わされる」と「互いに浸透する」の区別 34/自己と宇宙とが調和すること(自己が結びつく諸条件の全体性の名称として)、自己の統一、全体的自己=観念、想像的な投影 35/「思弁的」すなわち知性的な信念と、「正当化する」信仰と呼ばれる行為との区別、何らかの目的が行いに対して最高であるべきであるとするある確信のような信念と、何らかの対象あるいは存在が知性のための真理のようなものとして実在するとする信念との区別 37/道徳的なリアリティ、道徳的信仰の欠如 38/宗教的なるもの=「情緒に触発された道徳性」 41/理想主義に固有の弱点 43/純粋で安定したパースペクティブ 43/自然との協同への依存性、人間的本性の尊厳の感覚、畏敬や尊敬の感覚 45/ 自然への畏敬の念 45/探究、自然の相互性 46/まとめ 47

 

第2章 信仰とその対象……………51

知性的な信念(教義)、文献=教義上の装置 52/科学と宗教の対立 54/探究や反省の新しい方法 55/革命的な変化の限界、教会内でのファンダメンタリストとリベラル派の間に増大しているギャップ、方法の問題 56/積極的な教訓 57/教義の合理化、リベラル派の教義の定式化、正当化 58/自然の領域と恩寵の領域、自然的知識と啓示、科学的経験と宗教的経験 59/神秘的経験の事実と理論の区別、論点先取 60/神秘主義、宗教的経験と宗教的経験の解釈の区別 61/信仰復興運動家の一部のセクト 63/二つの異なった領域、二元論の循環的な性格 64/科学の方法と「教義」 65/科学と宗教の対立(知性の方法と教義上の方法) 67/神秘的経験、循環 67/シンボル、先験的なリアリティ 68/道徳やその他の理想価値のシンボル、目的の具現化、目的のリアリティのシンボル 69/「神」という言葉 71/「非-理想的」という言葉、ユダヤ教とキリスト教=道徳的でスピリチュアルな性格 72/理想目的のリアリティ、想像力=機関 72/理想的な質、実体化 73/ 理想的なるものと物理的なるものと結合(分離)、経験の宗教的価値、理想目的や価値のリアリティ 74/物理的な力、パワーという制裁 75/あらゆる証拠の探求、悪の実際性のあらゆる問題、悪の発生の問題 76/探求と探究、外部のパワーに依存することは、人間的な努力を放棄することのカウンターパートである。善さの至福千年 77/キリスト教のドグマ、悲観主義から楽天主義へ、ロマンティックな楽天主義=キリスト教 78/自然的知性の立場、善さと悪の混合物、善さの方向への再構造化 79/反論の誤解(理想と存在物との分離の状態) 80/私の批判(理想と特定の存在者の同一視)、経験のクライマックスな瞬間、理想目的 80/創造のプロセス、相互性 83/神の観念、神的なものの観念、理想的可能性 84/理想目的の現実的な諸条件との結合のようなものの、明確で激しい概念には、安定した情緒を引き起こす能力がある 85/理想目的の現実的な条件との結合の効用、スピリチュアル、神秘的経験、神秘主義、結合=結合すること 86/「神」という言葉を使用する理由、攻撃的な無神論や超自然主義=自然への畏敬の念の欠如 87/宗教的態度、「神的なもの」=向上心の言葉、人間主義的な宗教=僭越なもの 88/マシュー・アーノルドの「我々人間のものでない力」、外的なエホバの回想  89/最近の科学と古い二元論、人間と物理的な自然、メカニカル、古典的タイプのメカニカリズム、メカニズム 90/ジェイムズ・ヘンリー・ブレスレッドの著書『良心の夜明け』 91/まとめ 93

 

第3章 宗教的効用の人間的居場所……………95 宗教の社会的結びつき(習慣の集団的モード)、宗教の核心部分=儀式やセレモニー、伝説や神話、物語 96/宗教的コミュニティ、寺院、教育、ユダヤ人コミュニティ 97/宗教の社会的な核心の変化、国家と教会の対立、教会=「ある特別な制度」、コミュニティからアソシエーションへ 98/科学が宗教の信条に及ぼす直接的な効果=二次的重要性 100/科学の間接的な効果、新しい知識の適用性 100/宗教のファンダメンタリスト、カトリック教会 102/スコープス裁判 102/ルネサンス=世俗主義、「自然宗教」、独立的な会衆派、超越主義 103/宗教の社会的な位置や効用 104/革命を構成する二つの現実 105/宗教と宗教的効用の間の区別 106/ローマ・カトリック教会、生活の世俗化=背信行為のひとつの証し、プロテスタンティズム=わがままな異端の証し 107/プロテスタント教会、神との霊的交わり、良心や意志の神との直接的な関係性 108/世俗化は衰退ではない 109/社会的進歩は自発的な宗教的アソシエーションの産物ではない 110/道徳的徴候 110/超自然的なるもの=異常なるもの、超自然主義=社会的宗教 111/異常なものの「自然的な」説明、スピリチュアル、心の二重性 111/心の二重性と第二の対比のようなもの 112/現在と将来の宗教的な問題 113/リベラル派の宗教サークル、真理の二重性の新事実 114/三つの成長の段階、リベラル派の神学者の根本的な二元論=不安定な均衡状態、スピリチュアルな価値の二つの領域(世俗的なるものとスピリチュアルなるもの、神聖でないと宗教的なるものの昔の二元論) 115/それ以前の信念の段階に戻ろうとする試み 117/社会的関係と諸制度との関係の問題、偶然的 119/クラレンス・エアーズの言明 119/マイナスの事実、無知を論拠にして超自然的なるものに至らせる古い昔の推論 120/社会的知性 121/孤立して、個体としての存在の空虚さの自覚を大きくさせるサイン 123/自由放任の考え方の基本的なルーツ、自由放任主義の表現、方法としての知性 124/知性と情緒の間にはいかなる対立もない。情熱的知性、知性と融合しない情緒は盲目であると言うことは、同語反復である 125/公的な関心の理解=宗教的効用、超自然主義の問題点 126/情熱、熱意 127/技術的なスキル、二者択一(超自然的なものへの依存性か、自然的な働きの使用か)、二つの選択 128/教会の本来的矛盾、排他的で権威的な地位への要求を放棄することが、ジレンマを取り去るための必要条件である 129/リップサービス、人間に共通する兄妹の間柄という観念、分割の概念 131/まとめ 132/実践的信仰 135/コモン・フェイス 136

語句索引・人名索引……………161

訳註……………162

 

解説……………195

第1章 宗教対宗教的なるもの 196/第2章 信仰とその対象 215/第3章 宗教的効用の人間的居場所 241/

おわりに 262

あとがき……………269

 

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