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国境にて─イスラエル/パレスチナの共生を求めて

第三部 内なる国境より抜粋

ユダヤ人国家誕生後五〇年、社会を二分するこの分裂状況の中では、民主主義と連帯に立脚する社会を理想像とし て抱く人々、世俗的だが文化の多様性を尊重する人々、アラブ世界に心を開き、同時にフランス革命やアメリカ独立 戦争の精神である民主主義を尊重する人々にとって、もはや活動できる場所がだんだんなくなりつつある。二つの悪 のうちマシな方を選ぼうとすると、そしてほんの少し前まで「主要な敵」と呼んでいたものを否定しようとすると、 社会を二分する境界の一方の側へ転げ落ちる危険がある。私たちは、これら二つの破壊的な考え方のどちらをも選択 しないという困難な選択をしなければならない。イスラエルを中東諸国を侵略するネオリベラル十字軍の前線基地化 しようとする勢力と、イスラエルを新メシア思想を唱えるラビが指導する原理主義と民族主義で相互補強された武装 ゲットーにしようとする勢力との両方に対し、同時に闘わなければならないのだ。

 

著者 ミシェル・ワルシャウスキー(Michel Warschawski) イスラエルの平和運動家。イスラエル社会主義組織『マツペン』に属して、 反シオニズムの姿勢をとり続け、『マツペン』分裂後、オルタナティヴ・イ ンフォメーション・センター(AIC)所長。パレスチナの不法テロ組織を 支援したとして実刑20ヵ月を言い渡された。

『国境にてイスラエル/パレスチナの共生を求めて』定価3800円+税 ISBN978-4-8068-0663-9


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