戦後、焼け跡から復興していく昭和21年から、SPレコードの終焉昭和41年まで。好評を博した「流行歌総覧-戦後編」の索引を兼ね、全曲をリストアップ。曲名と歌手、発売年、レーベル名を収録。曲名を調べるには最適の愛好家必携の書。

発刊に寄せて
村越光男
SP時代のなつメロとともに生き、懐かしみ、そして静かな炎を燃やしながら歌い続ける世代にとって……いつのころからか、かけがえのない音源や手持ち資料を整理しながら、伴奏からカラオケ制作へ、効率化を迫られての索引づくりを始めました。 全音・新興歌謡全集(総索引)(平成4年9月)、童謡・唱歌資料目録と索引(平成5年)、昭和流行歌総覧(戦前・戦中編)索引(平成6年12月)、そして最近の手づくりが昭和流行歌総覧(戦後編)索引です。 制作に当たっては、「戦前・戦中編」を3年かけてコンピューターに打ち込んだ塚越亨先輩のあとを受けて一念発起し、塚越さんのご指導と鎌田恵二さんの綿密な監修を得ての研究作品となりました。『昭和流行歌総覧』(戦後編)1524ページを675ページの索引に再編したものです。 編集にあたり、曲名、発売年、歌手、作詞、作曲、レコード番号をほぼ1行に配し、曲名を「あいうえお」順に、その中で年代順、歌手別(あいうえお順)に構成しました。ことは単純ですが、1524ページのコピーから、一件一件の切り抜き作業、あ行か行等、各ブロック別区分の山、あいうえお44音別再小分け、曲名・発売年・歌手別細分化を経て貼りつけ構成等、そのつど三万数千曲の繰り返しがありました。吹けば飛ぶような断片資料の散逸を案じながら。 曲名には難読も多々あり、地名を確認したり(家城「いえき」おどり)、地名以外の読み方に惑わされたり(吾妻「あがつま・あづま」)、故郷(こきょう・ふるさと)明日(あす・あした)等々、音読・訓読の迷いもそのままに、時間切れとなりました。 その後の監修段階で、原本の曲名、作者の違いやミスプリント、ダブリ(再発売曲は初版を採用)の発見から曲名の読み誤り等|監修後の全面組替えまで、念を入れた4年の歳月が流れました。 以上が研究作品の素顔です。 今回、「戦前・戦中編」のあと「戦後編」の続刊となりましたが、これらは佐藤孝夫さんの全面的な改編の手入れを経て送り出されるものであり、手づくりの「戦前・戦中編」から13年目にして「世に出すべきだ」の情熱を完結させた佐藤孝夫さんに、心から謝意を捧げます。